富山大学 薬学部 2019年度学部案内
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富山大学で学んだ知識と経験は創薬研究における礎であることは間違いありません。 最後に研究開発の醍醐味を2人の名言で。Imagination is more important than knowledge. -Albert Einstein-Stay hungry, stay foolish. -Steven Paul "Steve" Jobs-審査する行政機関では独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ジェネリック医薬品等審査部栗林 亮佑(H15卒業・H17修士・H28博士)私は、現在、後発医薬品の承認審査業務と国際業務に携わっています。後発医薬品の審査では、製薬企業が提出する品質と生物学的同等性試験の結果が主な審査内容になります。品質の審査では、後発医薬品の作り方(製造方法)の確認から、製造された医薬品が予め設定された管理項目(規格)に適合するかについて審査を行っています。また、生物学的同等性試験の審査では、先発医薬品と後発医薬品をヒトに投与した時の血中薬物濃度を比較することで、後発医薬品が先発医薬品と同等の有効性及び安全性を有するかどうかを審査しています。国際業務では、医薬品規制調和国際会議(ICH)及び後発医薬品の生物学的同等性に関する規制の異同等について情報交換する国際会議(IPRP)に参加しています。各国の審査基準、審査方法に関する議論を通して、我が国の医薬品の審査をより効率的にするための方策について考えています。この国際会議での活動を通じて、製薬企業の医薬品開発の効率化を図り、国民の健康増進や医療費の削減につなげられればと考えています。どちらの業務も国民の健康増進につながる仕事であるため、大変やりがいのある仕事であると感じています。製薬と富山株式会社池田模範堂 研究所 薬理グループ 山野井 遊(H17卒業・H19修士) 私が働く池田模範堂は立山の麓、上市町と言うところにあります。社名をご存知の方は少ないと思いますが、主力商品の虫刺され用かゆみ止めは商品名を聞けばご存知の方も多いと思います。 このかゆみ止めは昔からある薬ですが、今も研究開発を続け製品の改良や新製品の開発に取り組んでいます。このような研究開発には薬学部で学ぶ幅広い知識がとても役に立ちます。また、研究開発に必要な最新の科学技術を得るため富山大学と共同で研究を行うこともあります。 製薬に携わる人間にとって富山と言う「薬」に力を入れる県にいることは大きなメリットだと思っています。 私自身は県外の出身で本学入学の際に富山に来ましたが、富山の住みやすさからすっかり居着いてしまいました。これから薬について学ぶ方々にとって、「薬都とやま」は良い選択肢となるのではないでしょうか。製薬企業の製造職として働くアステラスファーマテック株式会社 富山技術センター 山本 章人(H25卒業・H27修士) 私は現在、製薬企業の医薬品製造職として、発酵由来の医薬品(原薬)製造を行っています。「製造職」と聞くと毎回同じ作業というイメージを持つ方がいるかもしれませんが、決して単調な業務ではありません。患者さんのもとへ高品質な製品を確実に提供するために、効率よく製品を製造する生産体制を維持する必要があります。また発酵工程は化学的手法とは異なり、微生物(生き物)を相手にする22ため、安定的に生産し続けることは容易ではありません。製造工程結果だけでなく、過去の実験データや文献の調査及び解析結果から仮説を立て、その仮説が正しいかどうかをそれ以降のデータベースで検証するといった作業を繰り返して改善を行い、本質を見極めながら業務に取り組んでいます。 大学及び大学院時代に所属していた研究室では、微生物や動物は一切扱わず、標的のタンパク質を蛍光化するといった、現在の業務とは一見かけ離れた研究をしていましたが、目的を達成するために必要なプロセスは何ら変わりません。学生時代に研究を通して学んだことで、そのプロセスを構築する能力は鍛え上げられました。今後も富山大学で培った経験を存分に活用し、様々な領域の知識・技術を高めて、社会に貢献したいと思います。薬都富山から世界へ栄研化学株式会社 研究開発統括部 生物化学第一研究所 大野 智恵(H27卒業・H29修士) 私は〝研究のための研究ではなく、人の役に立つ研究がしたい!″という思いから本学部の創薬科学科に入学しました。学部時代は講義や実習を通して、普段何気なく使っている一つ一つの薬には、生物・物理・化学を三本柱とした様々な知識や知恵、高度な技術が集約されていることを学びました。大学院ではイオンチャネルというタンパク質に着目し、今までにない新しい作用メカニズムを有する治療薬の開発に向けた基礎研究に取り組みました。 富山県は「薬都富山」と言われるように、薬学に関しては江戸時代から続く長い歴史があります。県内には製薬企業も多く、学生実習で製薬会社の工場や薬事研究所の見学に行くこともあります。薬が創造される過程を目の当たりにし、実際の現場で働く方々に接する機会を得られたことは、自分の将来を考える上で大変参考になりました。その結果、大学院を修了した後は疾病の早期発見または治療方針の決定を担う検査薬の研究開発に携わることになりました。富山大学で学んだ薬学の知識と培った創薬研究者魂を忘れずに、日本に止まらず世界の人々の健康に貢献できるよう、今後も研究に励んでいきたいと思います。患者様の最も身近な薬剤師を目指してクオール株式会社 加藤 充(H29卒業) 私は大学卒業後、全国に展開するクオール薬局に就職しました。アメリカでは薬剤師は地域の健康アドバイザーとして尊敬される職業です。私は初め病院薬剤師と薬局薬剤師、どちらがしたいか悩んでおりましたがアメリカの薬剤師のように人々の健康を身近で支える仕事がしたいと思い、より患者様に近い薬局薬剤師を志望しました。現状、薬局にいらっしゃる患者様のほとんどは処方せんをお持ちです。しかし、かかりつけ薬剤師制度やセルフメディケーションの推進により、処方せんを持たずに健康相談にいらっしゃる方が徐々に増えてきています。これからの薬剤師は患者様からお話を伺い、プロフェッショナルとして適格な情報を提供する「対人業務」を行うことが求められています。全く同じ薬を飲んでいても患者様が変われば話す内容も変わってきます。薬剤師は薬だけでない広範な知識と高いコミュニケーション能力を必要とする、難しいですがやりがいのある仕事だと考えます。 薬学部の講義で教をふるう教授の方々は最先端の薬学研究者だけでなく、中には臨床経験のある薬剤師もいます。学生のうちに専門性の高い講義や、臨床で生かせる講義を受けることができたのは、現場に出てから大きなメリットになりました。 近年、多くの病院や薬局で漢方薬が用いられており、漢方薬の市場は年々増加しています。がん化学療法などの先端医療の分野でも用いられる漢方薬ですが、富山大学では漢方薬の研究機関を併設しており、漢方薬について専門的な講義を聞くことができます。 このように富山大学では薬剤師に求められる高度な教育を受けることのできる環境が整っています。本学でしっかり勉学に励んだ皆さんと、薬剤師として一緒に働ける日を楽しみにしております。
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