電気通信大学 広報誌 UEC WOMAN No.08
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は電通大大学院で、ロボットなどの人工物に感情を持たせる研究をしています。神経科学や認知心理学の文献などに基づいて感情モデルを構築し、深層学習(Deep Learning)や確率モデルでそれを実現するのが目的で、こうした研究を通して、人の感情メカニズムを明らかにし、ロボットと感性的なコミュニケーションをすることを目指しています。この道を志したきっかけは、ネコ型ロボットのドラえもんのように、人の気持ちに共感して話を聞いてくれるパートナーがいたら、人間のストレスが緩和するのではないかと考えたからです。そこからずっとパートナーになるロボットを作ることを目指し、大学院では人に共感するためにはロボットにも感情がなくてはダメだという思いに至り、今の研究をしています。知能機械工学科に在籍していた学域時代は、製図や機械制御など、ロボットに使えるような要素技術を学んでいました。また、大学公認のものつくりサークルであるロボメカ工房にも所属していたので、そこでマイクロロボットを作って競技に出たりしていました。4年生になって長井研究室に配属されてからは、初めて神経科学や認知心理学に触れることになり、とても大変でしたが、充実した学生生活を送っていました。大学院の博士課程への進学は私にとって勇気がいることでしたが、パートナーになるロボットを作れる場所に一番近いのが今の研究室だという気持ちが強くなり、決断。思うように研究が進まないときや苦手なことにチャレンジしなくてはならないときは大変さを感じますが、自分以外の人に自分の研究のおもしろさが伝わったときの感動は何とも言えません。研究を完成させることができる道なら、この先どこにでも挑戦していきたい。今は大学教員になって自身のラボを持つことが、実現できる道なのかなと考えています。ロボットに感情モデルを実装してコミュニケーション実験を行っています。現在では幼児と同じような反応を示すようになってきました。大学院では専門分野の研究を深めています取り組みは、人間のパートナーになれるロボットを作ること!日ひ永えい田だ智ち絵えさん情報理工学部知能機械工学科卒業大学院情報理工学研究科機械知能システム学専攻博士後期課程2年私05

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