宇都宮大学広報誌 UUnow 第40号
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■■■『地域対応力』の養成池田裕一教授(社会基盤デザイン学科)に学部共通科目について聞きました。3学科混成学部共通科目で一番大事なのは、3学科混成での学びです。混成というのは、単に3学科の学生が集まっていろいろな学科の先生の話を聴くということではなく、全学科の学生が混ざり合い、話し合い、実践して高め合うことを基本の姿とします。具体的には、3学科混成のグループでフィールドワークやプレゼンテーション、ワークショップなどを進めていきます。1年次は共通科目で、地域の現状や課題について幅広い視点から理解する力を養います。2年次は1年次の「気づき」を大切にしながら自分のアイデンティティーとなるコアな部分をそれぞれの学科の特色に応じた文系専門科目あるいは理工系専門科目で学びます。地域の科学的調査分析法もこの段階で身につけます。3年次でまた、3学科混成で共通科目のメインである「地域プロジェクト演習」を履修、3分野の総力を結集して地域のUUnow第40号 2016.7.20●4実際の問題に挑みます。2年次にどれだけ成長したか、お互い確かめ合うことになります。地域にいかに対応するか1年次で最も重要な授業が「地域デザイン訪問」です。各学科で地域の現場に出向き、工学的技術や社会的な取り組み、実務者の方々に直接触れます。そこで見聞きしたこと、感じたことを3学科混成グループで、それぞれの見学場所についてディスカッションします。いろいろな現場、課題があって、それに対していろいろな見方、考え方があるということを認識してもらいたいと思っています。「地域デザイン訪問」の前段階の授業として「地域コミュニケーション演習」と「地域の姿と課題」があります。コミュニケーション演習は、多様な人たちと連携するのに必要なコミュニケーションスキルを学びます。「地域の姿と課題」は、市町の首長さんなど実際に現場で活躍されている方を講師に招「地域デザイン科学部が目指す教育」く講座で、講師の方と直接ディスカッションもします。現実社会は答えが一つではない世界であるということを認識し、そのような世界でいかにコミュニケーションを図り、問題を解決していくかを考えてもらいます。地域デザイン能力育成の総仕上げが3年次の「地域プロジェクト演習」です。1、2年次に学んだことを活かし、地域の様々な実際の問題に挑みます。3学科混成グループで地域に出かけて各種調査・分析を実施し、解決策を提案します。地域デザイン科学部の教育としては、地域にいかに対応するかということが大事になってきます。意見や主義主張の異なる人たち、分野の異なる人たちといかに意思疎通を図っていくか、コミュニケーション能力というものが重要になります。一つの問題を解決するためにお互いの立場を擦り寄せて、ある結論に達していくという能力を養うことです。そこに、この学部の専門性があるのです文理融合の教育で総合力を養うまちづくりは、そこで暮らす人々の思いや、地域で育まれてきた文化、歴史的背景を尊重しながら総合的に考えていくことが大切です。専門性を深めることは大事なことですが、なおかついろいろな分野のつながり、地域のつながりをしっかり見ていくことも重要なことです。そういう素養、素質を3学科混成、文理融合の共通科目の学びの中で養っていただければと思います。地域社会のコミュニティを考える文系の学生と、理系の立場から地域の環境、治水、建築・土木を考える学生がお互いに刺激し合い、化学反応を起こしてより一層の総合力を身につけて社会に出て行ってほしいと思います。「地域の未来を科学の力で」をキャッチフレーズに地域デザイン科学部がスタートしました。ここでは、学部の特色であるコミュニティデザイン、建築都市デザイン、社会基盤デザインの3学科混成、文理融合の「学部共通科目」を通して新学部の学びについて紹介したいと思います。「大地震発生後に起こる被災者の困難」をテーマにした授業

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