宇都宮大学広報誌 UUnow 第40号
6/16

UUnow第40号 2016.7.20●6宇都宮大学国際学部は、平成29年4月から現在の2学科「国際社会学科」「国際文化学科」を1学科「国際学科」に再編・統合する改組計画を立て、準備を進めています。田巻松雄学部長に改組の概要について聞きました。グローバル化が進む中、世界の様々な地域で発生する新たな課題を研究、学ぶうえで人文科学、社会科学、両方の知識があって初めて見えてくるものがあります。国際学部は元々、「学際性」という複数の学問を学ぶことを重要視してきましたが、学科統合は「学際性」「総合性」をより高めることが大きな目的で、キーワードは「多文化共生」です。「国籍や民族などの異なる人たちが互いの社会的、文化的違いを認め合い、共に生きていくこと」を意味する多文化共生は、世界の様々な地域で求められているグローバルな課題です。今回の改組は、知識の広がりというだけではなく、「グローバルな行動力」を持った人材の育成と、英語に他の外国語を加えた「英語プラス1」という複数の言語能力を高める語学教育の強化が目指すところです。日本国内だけではなく、海外で起きている問題に積極的にアプローチして社会貢献できる行動力を養成する教育に、組織的に取り組んでいきたいと考えています。例えば「グローバル実践力基礎演習」という必修科目を立ち上げて、今、グローバルに行動することがいかに求められているかを徹底的に学生に伝えていきます。語学教育では、言語能力を高めるためにも海外で学ぶ機会をより一層つくって「海外体験の実質的な必修化」を目指しています。今でも国際学部の学生は卒業時までに2人に1人は海外留学を経験していますが、海外体験をできるだけ100%に近づけたいと考えています。また、宇大には約300人の留学生がいますが、留学生と日本人学生、および日本で成長した外国にルーツのある学生の交流の場、相互に学び合える場を増やし、キャンパス内で留学と同じような学びができるような、「キャンパスの国際化」という言い方をしていますが、そういう工夫をしています。国際学部の教員が、国際学部で学ぶことの意義、魅力などについて語り合いました。―最初は、2014年、国際学部設立20周年を記念して出版された『世界を見るための38講』の話題から。38名の教員がそれぞれの研究と教育について真正面から語ったもので、「国際学部のスピリット」が詰まっています。田口編集するにあたって社会科学、人文科学という区分を完全に壊して両学科の先生のエッセーをどんどん混在させ、『国際学部は一つ』という形を打ち出しました。今、社会学科と文化学科の垣根を取っ払って、もっと多様に学べるようにしようという議論が進んでいるわけですが、この本のイシューはまさにそれです。国際学部が国際性、学際性を保ち様々な分野の先生方が融合する中で、一つの本をつくるという動きと学部改革の動きは、奇しくも連動していたと思っています。松村混沌と見えるかもしれないけれど、様々なところで多分野の教員が垣根を越え、融合しながら研究プロジェクトに取り組んできました。新しく出てくる複雑な問題にクリティカルに対応するにはこのような形になるだろうというのが、私たちの答えです。モリソン国際社会はわかりにくい。学生が複雑な世界を見て、課題にどう取り組むのか、それをサポートすることが私たちの義務だと思います。髙橋わかりやすくない世界を多視点で捉えなくてはいけない、ということを共通のー「多文化共生」「グローバルな行動力」「複数の言語能力」ー国際学部で学ぶということ―国際学部教員の座談会―(設置構想中)(設置構想中)国際学部が変わります!国際学部が変わります!国際学部が変わります!国際学科 平成29年4月国際社会学科と国際文化学科を 国際学科 に統合(設置構想中)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 6

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です