宇都宮大学広報誌 UUnow 第40号
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●本当の自然科学の研究というものは答えのない課題に挑戦していくことで、その基礎となるものとして理科の学びがあります。答えを暗記するのではなく実験のプロセスを自分でじっくり考えていくことの楽しさ、謎を解くおもしろさを大事にしてほしい。将来、先生になったときに、子どもたちにそういう姿勢を発信してほしい。次世代を育てるためにも、ぜひ獲得してほしい。 自然事象に対する子どもたちの驚きや、素朴な疑問にしっかり寄り添って、疑問を一緒に解き明かしていく姿勢を身につけてほしい。教材研究や指導技術ばかりではなく、マインド(心)の部分もこの授業で大切にしていることです。教育学部教育学部初等理科教育法初等理科教育法教育学部教育学部初等理科教育法初等理科教育法小学校理科で、児童は何をどのように学習するのでしょうか?この問いに答えるために、本授業では、理科の学習内容と指導方法に関する基礎的な理解をめざし、理論(児童の発達特性、自然認識など)と実践(教材研究、観察・実験における指導のポイントなど)の両面から学習を進めます。教育学部の必修科目のひとつで、全専攻学生が受講します。● 授業概要● 教員から●授業の中で私が一番力を入れているのが子どもの自然認識についてです。理科は正しい科学的な知識を一方的に教えていくものではなくて、「空はなぜ青いんだろう?」というような、自然事象、科学現象に対する子どもの素朴な見方、考え方に寄り添いながら、その素朴な概念をより科学的な概念に変容させていくことを支援することが理科であることを学生に伝えたいと考えています。 授業では私が直接的に教えることも行いますが、学生が主体的に考えたり教え合ったりするということに重点を置いた活動を取り入れています。授業を通して理科を教えるおもしろさ、楽しさを感じられるようになってほしいと思っています。●学生からUUnow第40号 2016.7.20●8学校教育教員養成課程理科専攻2年冨田 啓介●座学中心の講義を受けるだけではなく、子どもたちが学校で経験するような実験を自分たちも実際に体験することで、子どもたちに分かりやすく教える方法を身につけられるということを実感します。志望は高校の教師ですが、基礎となる初等理科の教育法を学ぶことは大切なことだと思います。理科以外の専攻の学生も一緒に授業を受けるのですが、理科のどういうところが苦手なのか、分からないのかを身近に知ることができるので、実際に教師として子どもたちに教える立場になったとき、こうした経験も活かされると思います。●子どものころから理科が好きでした。新しい発見というか、答えがわかった時の喜びが他の教科より大きいと感じたからです。若者の「理科離れ」が言われますが、基礎となる小中学校での授業のやり方を工夫すれば理科離れを防げると思い、小中学校の教師を目指しています。この授業で、実験室ではなく普通の教室で簡単な実験をすることがあるのですが、どういう場所でも簡単に実験ができて「小さな科学」がわかるということを子どもたちに体験させてあげることで、理科が好きになってくれるのではないか、ということを感じました。伊東 明彦 教授出口 明子 准教授人見 久城 教授● 理科は「暗記科目で、日常生活と関係のない教科」という認識が強い学生に対し、単に知識を覚える教科ではなくて科学的な見方、考え方とはどういうものかを伝えることが理科の重要な目的であることを教えています。そのことを理解して、さらに学生に学びとってほしいのは理科の楽しさです。理科が苦手な学生は理科が楽しいと思えるほど理科に馴染んでいないのでしょうね。小学校でやるような実験を実際にやりながら小学生時代には気づかなかった理科の楽しさに気づいてほしい。「実感を伴った理解」と理科では言いますが、内容を本当に理解し「なるほど」と思う経験をしてほしいと思っています。学校教育教員養成課程理科専攻2年 川又 吏固■今回ご紹介した授業の様子が動画でもご覧いただけます。 宇 都 宮 大 学 宇 都 宮 大 学

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