宇都宮大学広報誌 UUnow 第40号
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●古村研究室では、毎回全員の個人発表の時間が設けられています。また、授業時間内で終わることよりも、議論を十分に行うことが重要なのです。私は、そんな学生の自発的な参加が求められる方針に惹かれて、この研究室を選びました。古村先生の指導の中で、「日常生活から地域を見ることの大切さ」を学ぶことができます。私は研究をしている山形県高畠町で、世間話などから住んでいる人の共通意識を探る楽しさに、調査のやりがいを感じました。今後は引き続き、より生活から地域性を見られるように長期フィールドワークを行う予定です。●2年生のとき、古村先生の授業で「常識を疑う」ということを学びました。それは私にとって新たな発見で、この批判的な視点を深く学びたいと思い、古村研究室への所属を決めたのです。昨年、大学を1年間休学し、宮崎県にある西米良村で生活をしながら調査をしてきました。文献からだけではなく、実際に現地に行くからこそ得られる「生の声」の大切さを知りました。研究テーマである「神楽」は、舞い手のほかに、さまざまな立場の人の支えがあってこそ成り立つものだと、長期で生活してきたからこそわかったのです。ここでの経験を糧に、これからも突き進んでいきたいと思っています。●古村先生の人柄に惹かれてこの研究室を選びました。先生の授業は、国際学部の中で一番と言っていいほど、課題が多いです。真剣に取り組めば取り組むほど、先生も徹底して指導をしてくださります。この研究室で学べば、「大学で勉強をした」という自信が持てると思いました。現在、岐阜県奥飛騨温泉郷の福地温泉において地域調査をしています。温泉宿で働きながらの調査で、大学生活では関われない幅広い年代層の人たちと出会い、様ざまな人の思いを知りました。地域で学んだことを将来の仕事にも生かしていきたいと思っています。国際社会学科4年 トゥーノ・アカネツカヤ(東野 朱音)国際社会学科4年 ナム・サホ(島津 爽穂)●私のゼミでは、学生たちに最低でも1ヶ月のフィールドワークを行なうことを義務づけています。なぜなら、フィールドワークによって次の2つの能力を身につけてほしいからです。1つは、学生がそれぞれの調査場所で、様々な人と出会うことで得られる「社会人力」。学生は、学生同士での関わりは持っているものの、社会との接点は限られています。普段の生活を離れ、地域で生活をして多くの人と話をすることによって、社会経験ができると思うのです。もう1つは、地域を見るための「批判精神」。現場で起きている現象の表面的な部分だけを捉えるのではなく、事実の先にあるものに目を向けるためには批判的な視点が求められます。地域を見るための批判は、どこにでも当てはまる批判ではありません。地域によって異なるため、「場所」という出発点を大切にするよう指導しています。これらの能力を身につけることで学生は人間的にも成長できるでしょう。学問をすることを通して人間として成長してもらいたいと思っています。       コームラ・アレクサンデル(古村 学)● 研究室概要● 学生から●沖縄県に生まれ、米軍基地のある生活が当たり前だと思ってきました。しかし、宇都宮大学に進学したことで、基地と隣り合わせに生活をしていない人と出会い、それは当たり前ではないと気づかされました。今、沖縄の伊江島にある米軍基地と島の人々の暮らしについて研究しています。古村先生からは「フィールドワーク自体が人に迷惑をかけてしまう部分がある」という話を聞きました。戦争に関わる話など聞きづらいこともあるのですが、一方的な聞き取りにならないよう意識しています。国際社会学科4年 モハメド・ジン(島袋 雄仁)国際学部 国際学部 地域社会論Ⅰ 地域社会論Ⅰ 古村ゼミ古村ゼミ国際学部 国際学部 地域社会論Ⅰ 地域社会論Ⅰ 古村ゼミ古村ゼミ国際学部 国際学部 地域社会論Ⅰ 地域社会論Ⅰ 古村ゼミ古村ゼミこの研究室では、フィールドワークを重視している。長期休暇中には、教員も学生も、1ヶ月程度の中期的な住み込み調査による、現地調査を行なう。その地に暮らす人びとの日常生活を理解することを通して、物事を見たいと考えているからである。調査地もテーマも、各自で選ぶため、北は北海道から南は沖縄まで、海外ではドイツやイギリス、テーマも農業、原発、記憶、野生動物など多様なものとなっている。古村 学 准教授国際文化学科4年 坂東 太郎(村里 俊光)● 教員から9●UUnow第40号 2016.7.20国際社会学科4年周 駿(豊後 駿)●タインマスでプールの研究中*本文の学生および教員の氏名は学生考案のペンネームを使用しています。( )内が本名です。

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