宇都宮大学広報誌 UUnow 第41号
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当に面白くなったのは店長になってからですね。新入社員からのあこがれの視線もあり、業務に対する責任感も強くなりました」北海道から本州に進出する際には、プロジェクトリーダーとして様々な業務・部署を経験したようですが?「特にこの時期、社内で多様な業務・ミッションをこなしたことが今に繋がっていると感じます。改めて振り返ると、自分は仕事の中で成長させてもらったという感があります。またマネジメントの実際においても、現場・売り場の感覚を知るということは今でも実践しています。データとして上がってこない部分は常に売り場の現況を把握しながら判断することが多いです」■常に挑戦し続けるために現在、似鳥昭雄会長とともにニトリグループを率いるリーダーとして重責を担う立場にあります。グループのトップとして日々感じていることなどをお聞きしたいのですが。■皆さんの将来の可能性は無限大最後に、本学の後輩に向けたメッセージをお願いいたします。「自分の可能性を狭めないでほしいですね。大学時代に身に付ける知識・能力はほんの限られたものであり、その知識や、能力を身に付けるためのプロセス、経験がその人の大きな財産だと思います。私も大学時代の専攻とはまるで異分野の事業に取り組んでおり、当社にも家具小売「やはりこれだけの規模の企業ですから、お客様を始め企業を取り巻く様々な方々への重大な責任があります。また事業の継続性を確保し、次の世代にどのようにバトンタッチするかということも非常に重要です。こういった責任を果たしていくため、我々は常に挑戦し続けなければなりませんが、好調な業績を維持しているような時にはチャレンジングな行動が難しくなってしまいがちです。問題点を指摘する声はかき消され、失敗を恐れて挑戦することを躊躇してしまう。そして転落につながるような綻びは、往々にして業績が好調な時に発覚します。チャンスとピンチは必ず一緒に来るというわけです」「また、組織の巨大化により様々なルールが増えますが、ルールを遵守することが目的化してしまい、チャレンジングな行動を阻害する要因になります。業績が好調な時ほど、組織が大きくなればなるほど意識して変革に向けた行動をとっていかなければならないと考えます」「そうした取り組みの一つとして、3年前から『未来会議』という会議をスタートさせました。普段の業務から離れ、ニトリの未来についていろいろな世代の社員が自由に議論する場です。時には上司の批判が出ることもありますが(笑)、自由に議論してもらっています。『チャレンジ店舗』という取り組みもあります。新しいアイディアによる企画を応援する取り組みです。現状のルールが決して正しいわけではないということを意識させるため、様々な取り組みを行っています。このような取り組みを通して、次代のニトリを担う世代が育ってくれることを願ってやみません」3●UUnow第41号 2016.11.20【取材:岡田愛未羽、大森悠司/写真撮影:木原悠策】 学生時代のアルバムを見ながら思い出を語る白井社長業界とは全く異なるバックボーンを持ちながら入社してきて、成功を収めている社員も多数おります。しっかりと学業に取り組んで課題解決のための正しい努力の方法を身に付けておけば、どんな分野においても成功を収める土台はできているようにも思います。宇大生の皆さんはそういった意味で可能性は無限大ですから、様々な分野で大活躍していただくことを心より期待しています。がんばってください!」◆取材を終えて工学部応用化学科4年岡田愛未羽初めてのインタビューで緊張しましたが、白井社長の柔らかい雰囲気のおかげで楽しくお話しすることができました。会社のあり方や社会人としての心構えなどを分かりやすく話してくださり、大変勉強になりました。来年の春から新社会人となるので、今回の経験を糧に挑戦を続ける人でありたいと思います。地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科1年大森悠司今回取材する方は一部上場企業のトップの方であり、インタビューが始まる前は緊張していましたが、実際にお会いしてみると、とても優しく、ユーモアあふれる方で、気づいたら緊張が解けていました。白井社長がお話しのときに、インタビュアーの目を交互に見ながらお話をしてくださっていることがとても印象に残りました。

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