宇都宮大学広報誌 UUnow 第45号
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●化学プロセス工学は、化学物質を製造するための化学プラントの設計、制御に必要な基礎知識を学ぶ授業です。対象は主に3年生で、化学の内容を一通り学んでから受講する応用的な授業となっています。授業では数学的モデリングによって物事の現象を表すことを学びます。例えばタンクの中に水が溜まって出ていくとします。これを数学的にどのくらいの量が入ってどのくらいの量が出ていくのかということを、数式で表すことが数学的モデリングで可能になります。数式が多く出てくるので、数式を見て覚えるよりも書いて解いていくことが必要になります。この授業のような化学工学という分野は化学でも機械に近いところで、いわゆる高校の化学をやってきた人にはなじみにくいところがあります。それでも社会に出た時に必要となるので、いま必要でないからと言って毛嫌いせず、大学でしか学ぶことのできない化学の内容をしっかりと学んでほしいと思っています。大学に入ってから勉強を進めると、自分の興味のある分野が思っていた以上に深く、広く、そして面白いことに気づくと思います。そのような広い知識を学ぶためには高校までの基礎知識が非常に重要です。大学に入学した暁には私と一緒に新しいことを深く学んでいきましょう。化学物質を製造する装置の組み合わせと物質の流れを表すプロセスフローシートの作成とプロセス解析、プラントの運転に重要となる温度やタンクの液量などを制御する数学モデルの作成と解析について学びます。応用化学科の学生用の科目ですが、制御の内容は機械・電気系の制御とも深く関係しており、数学的知識も必要で化学の枠を飛び越えた科目ともいえます。● 授業概要同2年 杉山 大地●学生から● この講義で、化学プラントの設計において重要な物質とエネルギーのやり取りの関係を中心に学びました。そのためには、現象のモデリング、そして数学的手法というのが必要になります。これまで化学を学んできた私はそれらについてはなじみが薄かったのですが、先生の講義がわかりやすく、実際の化学プラントの現場においてどのように複雑な反応を制御しているかがイメージできるようになりました。国際学部 機械システム工学科 材料力学㈵国際学部 機械システム工学科 材料力学㈵教育学部 地域居住論工学研究科 機械知能工学基盤教育「体験! ぷろじぇくと」基盤教育「体験! ぷろじぇくと」 Academic English ReadingAcademic English Reading国際学部国際学部 学術英語講読学術英語講読教育学部初等理科教育法教育学部初等理科教育法農学部 応用生命化学科 生物化学 Ⅰ理論と実践を往還する授業地域デザイン科学部ソーシャルスキル演習(教育実践高度化専攻)教職大学院工学部 応用化学科化学プロセス工学工学部 応用化学科化学プロセス工学■今回ご紹介した授業の様子が動画でもご覧いただけます。 宇 都 宮 大 学 宇 都 宮 大 学● 教員から●とてもやさしい先生で、どんな質問にも丁寧に答えてくださるので話しやすいです。学生の立場に立って考えてくださり、きちんとすべきところと気楽にやっていいところとでメリハリのある先生です。授業内容では大切な部分を強調してくださり、復習の時に理解しやすいよう丁寧に板書してくれます。UUnow第45号 2018.4.20●10同3年 島村 雛季●自分は今まで化学系の、あまり数学的要素のない授業を取ってきました。はじめて化学から少し離れて機械にも通じるような授業を受けました。身の周りの現象を数学モデルにして解くという今までやったことのない授業だったのですが、前期の授業を受けて徐々にその力が身についてきたと思います。※学生の学年は取材当時(平成30年1〜3月)のものです。佐藤 剛史 准教授専門分野:化学工学、超臨界流体工学授業科目:学部/化学プロセス工学、拡散分離工学、反応工学、応用化学実験III大学院/化工物性特論、超臨界流体工学特論など応用化学科3年 新井田 彩人

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