宇都宮大学広報誌 UUnow 第45号
11/16

●大腸菌を使って水銀に結合する機能を持ったタンパク質を作り、それを利用し有害物質を検出する技術を研究しました。環境や食品の安全性を確かめるバイオセンサーの研究です。実験にはうまくいかないこともたくさんありますが、失敗も一つの結果として認め次の段階へ、というスタンスを身につけることができました。●微生物は、ふだん私たちの生活の中で存在を感じることはありません。しかし、抗生物質をいとも簡単に作り出すというようなヒトや動植物にはない機能を持っていますし、形態的にも非常に特殊であるところに研究対象として魅力を感じます。非常に小さいことを利用して試薬のようなかたちで扱うことができるのも微生物ならではです。研究では予期せぬことがたくさん起こりますが、学生には困難な局面を最終的に自分で解決していく能力を養ってほしいと思っています。もう一つは正確性です。実験で失敗を繰り返す中でどういう工夫が必要かを考える、そういう営みを通じてミスをなくす訓練をしていく。正確性は様々な局面で求められます。論文を書くことも、社会に出てミスなく仕事をこなすことも同じです。如何にミスなく正確にできるか、そのためのやり方、工夫を身につけてほしいと思っています。● 研究室概要● 学生から農学研究科生物生産科学専攻2年小塚 省吾● 光合成細菌と枯草菌を共培養することによって空気中の窒素からアンモニアを生成する窒素固定を行い、窒素肥料を製造する研究をしています。微生物は数えきれないほどの種類があって、まだ私たちが知らない機能がたくさん詰まっています。それを発見して応用する、微生物の多様な機能に魅力を感じています。※学生の学年は取材当時(平成30年1〜3月)のものです。11●UUnow第45号 2018.4.20応用生命化学科4年 嵐田 遥● 竹栽培農場と連携して筍の発酵について研究しました。竹粉の中に筍を入れて乳酸菌を加えると速く発酵させることができます。この技術を応用してメンマを作る研究です。微生物は食物や医療関係など幅広い分野に利用できます。この研究室は自分のやりたいことがいろいろできることが魅力だと思います。応用生命化学科4年 太田 宏美●微生物を利用して動脈硬化の一因とされている酸化型LDLの診断薬の開発が研究テーマです。試行錯誤しながら、失敗した時もそこから何かを得て次のことを考えながら研究することの面白さを知りました。勉強を続けて力をつけたいと思い、大学院への進学を決めました。専門分野:農芸化学・応用微生物学授業科目:学部/分析化学、微生物工学大学院/微生物工学特論など前田 勇 准教授● 教員から応用生命化学科4年 島田 武典国際学部 途上国経済発展論国際学部 途上国経済発展論 阪本ゼミ教育学部 運動生理学研究室工学部 機械システム工学科 熱流動解析研究室部 学校教育分野 発達心理学 石川隆行 研究室部 学校教育分野 発達心理学 石川隆行 研究室建築都市デザイン学科 環境設備研究室地域デザイン科学部栗原俊輔ゼミ国際学部農学部 応用生命化学科応用微生物学研究室農学部 応用生命化学科 応用微生物学研究室農業や食品製造等の分野で人の役に立つ微生物や微生物が作り出す物質に着目し、それらの新たな活用法を見出すための研究に取り組んでいます。実験は培養が基本ですが、増殖や反応を調べるために種々の分析機器を用います。卒業生と修了生は食品や製薬、化学メーカーや分析会社の様々な職種に就いて、あるいは公務員として社会で活躍しています。●納豆菌の胞子の構造がどのように作られるかを研究しています。研究室で実際に納豆を作り大豆表面でどのような原因で胞子形成が促されるかを調べました。目に見えない微生物の研究は知らないことが多く、予想と違う結果になることがたくさんあって難しさもありますが、それも楽しいことだと思っています。農学研究科生物生産科学専攻2年西野 孝洋

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る