横浜市立大学 2024
77/100

研究施設75生体防御関連遺伝子を含むゲノムDNA領域のクロマチン高次構造変化Pol IIがポリA鎖の無いヒストンRNAを正確に産生するために、MED26とLECはヒストン遺伝子(HLB)を転写するPol IIをCajal bodyに“ピットイン”させる医学部 分子生物学 髙橋秀尚教授の研究グループは、メディエーター複合体のコンポーネントMED26が、2つの核内構造体(HLBと Cajal body)と協働して、新規のRNAポリメラーゼ II (Pol II)の一時停止を引き起こし、細胞増殖に必須なヒストン遺伝子の発現を制御することを解明しました。ヒストン遺伝子の発現破綻は腫瘍性疾患と関連しており、本研究が腫瘍発症の解明につながることも期待されます。ソフトウェア上で指定すると効率よく全ターゲット領域のシーケンスが可能。上図はCANVASの責任遺伝子   のリピート伸長領域を含む周辺の解析例。人生ゲームのように、コインやカードを集めながら肝臓に起こりうる生活習慣の問題や肝炎ウイルス感染のリスクを体感できる「肝炎すごろく」医学部 遺伝学 松本直通教授らの研究グループは、ナノポアシーケンサーを用いて、リピート伸長病の原因となる病的なリピート伸長変異を網羅的に検出する手法を開発しました。この手法は、ターゲットロングリードシーケンス法(Targeted Long-Read Sequencing : T-LRS)を利用しており、従来法に比べて、簡便で正確なリピート伸長病の診断が可能になります。先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センターは、国立国際医療研究センターと共同で「肝炎すごろく」を開発しました。ボードゲーム型の教材としてデザインすることで、健康への関心が低い若年層にアプローチすることが狙いです。人生ゲームを遊ぶ感覚で、ウイルス性肝炎や脂肪肝などのリスクとその対策を日常生活と関連づけて学習することができます。肝炎すごろくは全国の肝疾患の拠点病院を中心に肝炎啓発の教材として使用されており、更なる普及のための改良を進めています。RFC1先端医科学研究センター■この研究についての 詳細はこちら■この研究についての 詳細はこちら■免疫学教室■分子生物学教室■この研究についての 詳細はこちら■この研究についての 詳細はこちら■YCU コミュニケーション デザインセンター■遺伝学教室感染防御やがん免疫に重要な樹状細胞の分化成熟におけるDNA折り畳み構造を初めて解明〜「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」に掲載〜医学部 免疫学 田村智彦教授らの研究グループは、熊本大学、国立感染症研究所、米国国立衛生研究所との共同研究で、感染防御やがん免疫に関わる樹状細胞の分化成熟におけるDNA折り畳み構造の変化とその分子メカニズムを解明しました。この知見を応用して、例えば白血病細胞など病的な前駆細胞のクロマチン高次構造を解析し、その性状を正しく理解することで、新たな診断・治療法開発につなげられる可能性があります。新たなPol IIの一時停止機構とその遺伝子発現制御における役割を解明〜「Nature Communications」に掲載〜神経筋疾患の原因となるリピート伸長病の正確・迅速な遺伝子診断法を開発〜「npj Genomic Medicine」に掲載〜肝臓の守り方を遊んで学べる「肝炎すごろく」を開発最近の主な研究TOPICS

元のページ  ../index.html#77

このブックを見る