横浜市立大学 2025
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国際教養学部新垣 二郎地方自治というのは、国家レベルという遠い世界だけで政治(=諸アクターの利害の調整)や行政(=税金に基づくサービス提供)を完結させるのではなく、市町村や都道府県など、我々に身近なレベルでも政治や行政を行わせる仕組みを指します。世界中で広く導入されており、いまや地方自治未整備の国のほうが少ないですが、制度設計は国によって千差万別であり、欧米やアフリカ、アジアなど、地域的な差も大きいです。この講義では、日本の地方自治の仕組みが海外諸国と比較してどのような特徴を持っているのか、そして、現在の仕組みがどのような歴史的経緯を辿ってきたのか、という2つのテーマを扱います。地方自治の仕組みを多角的に学ぶことは、これからの地域社会や都市のあり方、まちづくりや自治体サービスの方向性を考える上でとても重要です。公務員志望の方はもちろん、民間就職を考えている方にもぜひ履修してほしい講義です。渡會 知子社会理論では、現代社会を生きるために重要な考え方のエッセンスを、哲学と社会学に基づいて紹介します。授業では、そうした知識をただ覚えるだけではなく、実際にそれを使って「現代社会」や、その中を生きる「私」あるいは「他者」とどう向き合うのかを一緒に考えることを大事にしています。受講生は学部も年齢も経歴もバラバラですが、だからこそ、ひとりでは思い付かなかった多様なものの見方に出会うことができます。逆に、こんなに悩んでいるのは自分だけだと思い込んでいたものが、実は他の人も同じように悩んでいることがわかったり、アドバイスを共有できたりもします。そうやって凝り固まった観念(「こうじゃなきゃ」)を幾重にも解きほぐしていく自由とスリル、そこから開かれる視界の広さが、社会理論の醍醐味だと思います。ぜひ、大学だからこその学びを通して、逞しくてしなやかな「思考のよりどころ」を手にして欲しいと思います。大学院紹介詳しくはでWEB37Graduate School of Urban Social and Cultural Studies比較地方自治都市社会文化研究科社会理論 都市防災計画論地球温暖化の影響もあり頻発する水害や国内外で発生する地震などの自然災害について、私達はどのように備えたらよいでしょうか。災害後に避難行動、避難生活、仮住まい、復興と時系列に地域社会の動きと課題を理解することが、備えへの第一歩です。高齢化社会において災害時に特別な配慮が必要な人々への対応についても考えます。都市計画やまちづくりの視点から、実際にまちあるき、グループワーク等のアクティブラーニングを通して学びます。都市社会文化専攻私たちの暮らしに身近なテーマをはじめ、現代社会に迫るさまざまな課題を総合的にとらえ探究する力、課題の解決を実践する力を身に付けます。大学が立地する横浜を基盤とした “ローカルな視点”、そして対極にあるかのように見える“グローバルな視点”、さらに人文社会科学や自然科学等の多分野の領域を横断する「知」を獲得しながら、現今の世界や社会が当面する課題に向き合います。そして、環境問題やジェンダー等、多様な視点から、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)を学ぶ事を強化し、そのためのプログラムも用意しています。また、本学卒業後プラス1年で大学院を修了する事が可能です。国際的な視野を持ち、都市を学ぶにふさわしい、みなとみらいのサテライトキャンパスでの講義や近辺地域のまちあるきや現地見学は都市を学び、考え、実践する問題意識を高める事につながります。修了後の主な就職先●アルメック(旧:アルメックVPI)、電通西日本、読売広告社 等フランス文化論フランスの家族政策は少子化克服のモデルケースとされることがあります。本科目では、フランス語圏の文化と社会を、「恋愛」という事象を切り口として、歴史的・社会的な表象にふれながら考察します。恋愛の到達点として考えられることの多い婚姻やPACS等の社会契約について、さらには出生率について、日本や他国の事例と比較しながら、その背後にある家族観や恋愛観を受講者と一緒に考えたいと思います。海外調査実習海外調査実習は世界の現場に赴き、現場から学ぶ実習です。同実習b(国際機関)では、平和、環境、開発など参加者の関心に応じて英語で論文を作成します。その上で、国連などの国際機関やNGOに赴いてインタビューを行い、彼らがどのような取り組みをしているのかを深く理解します。さらに現地の大学で研究発表も行い、これらの成果を踏まえて英語論文を完成させるという他に類を見ないやりがい溢れる実習です。Pick up 授業主な科目紹介

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