愛知県立大学 教育福祉学部 学部案内2019
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09伊藤 稔明● 素粒子物理学● 理科教育学内田 純一 ● 日本教育史葛西耕介● 教育行政学● 学校経営学久保田 貢● 平和教育● 社会科教育瀬野 由衣● 乳幼児心理学● 障害児心理学教育発達学科 教員からのメッセージ子どもの健やかな発達を支えるための科学的な理論と実践を学び、教育と保育の世界に羽ばたく。科学をすべての子どもたちのものに教育発達学科専門科目では、主に小学校教員養成の理科教育関係の授業を担当しています。日本では、PISA調査の結果を受けて「ゆとり教育」から脱却し、理数系を重視する教育ヘ転換したといわれています。しかし、子どもたちの「理科離れ」が解消したわけではありません。理科教育関係の科目では、「そもそも小学生に理科(科学)を教えるということはどういうことなのか?」をじっくり考えられるような授業を心がけています。子どもたちの発育や発達を支えるための運動とは?体育や健康に関する授業を担当しています。子どもの心身にわたる健全な発育・発達には、適切な運動を行うことが重要であるといわれています。しかし、どのような運動をどれくらい行えば、本当に必要とされる体力や運動能力を身につけられるのか、実際のところよくわかっていません。このような問いに対し、経験則だけでなく、理論的、科学的な視野から、今の子どもたちに求められている運動支援を教育発達学科で共に考えてみませんか?“教育の歴史をみる"から、“教育で歴史をみる"へ「日本における学校と地域社会の関係」について、今から100年ほど前の様子を研究しています。学校は、保護者や地域住民の理解と協力を得て成り立つものであり、それは今も昔も変わりません。そのため、私は、歴史研究者として、学校内で行われていた教育活動だけ(つまり、“教育の歴史"だけ)を調べるのではなく、「学校が地域社会にどの様な働きかけをしていたのか」や、「地域社会から学校がどの様な目で見られていたのか」(つまり、“教育と関係する社会の動きを含めた歴史")についても調べています。子どもたちは、自分なりのわかり方で物事を解釈して、納得しています。だから教室には子どもの数だけ考えの幅があります。「豆電球はなぜ光ったのか?」と先生が尋ねると、「(+)の電気と(-)の電気がぶつかったから」と答える子どもがいます。あなたが先生なら、どんな風にこの子の学びを支援していくのでしょうか。また教室では、多様な個性を持った子どもたちが一緒に生活しています。だから、時にはぶつかります。学級内で喧嘩が起こったら、どんな風に学級を作り直していけばよいのでしょうか。教育方法学では、学校や学級という子どもの生活や学びの場をどのように成長の場にすることできるのか、学びを深めていきます。教職・保育職の専門性・自律性を支える制度・条件とは学校教育を通して子どもたちの成長と発達を手助けする私は、教育行政、学校経営、教育制度、といった分野を担当しています。教職・保育職は、子どもと直にやり取りをして子どもの学び成長する権利を保障していく職業ですので、その実践には場面や対象に応じた高度な専門性・自律性が保障されることが必要です。また、その重い責任を負っていることに見合った社会からの敬意や、職業的しんどさに見合った労働条件が確保され、やりがいが保障されることが必要です。こうした制度や条件は実際どうなっており、広く政治的・経済的・社会的な視野から見た場合それらはどういう変化にさらされ、どういう課題があるのかを学んでいきたいと思っています。平和教育とは何か「平和」の反対語は何でしょうか。「戦争」と思う人は多いかもしれません。学問上は「暴力」が反対語です。では「暴力」とは何か。血が流れる、痛い、といった「暴力」もあります。一方で、飢餓に苦しむ、差別がある、といった「暴力」もあります。これらに対して、「教育」は何をしてきたのか、「暴力」を無くす方向で「教育」はおこなわれてきたのか?残念ながらそうではなく、むしろ「教育」は「暴力」を拡大する方向ですすめられてきた側面もあります。これは、わたし自身が学生時代のゼミで学んだことですが、今でもこの問題関心の延長上で研究をしています。乳幼児の発達を知ることは、おもしろい!乳幼児心理学は、人が人として生まれ、育っていく発達初期の過程を追究する学問です。例えば、1歳前後に出現する“指さし"は、子どもが“他者と何かを共有する世界"に参入したことを示す大切な現象です。私が担当する授業では、“指さし"のような具体的な行動を通して、乳幼児や障がいをもった子どもの発達過程について学んでいます。乳幼児期の発達を学ぶことを通して、人の発達の不思議とその奥深さに触れてみませんか?稲嶋 修一郎● 体育学● 運動生理学● 体力科学大貫 守● 教育方法● 教育課程

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