愛知県立大学 研究活動報告 Re:Birth2021
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愛知県内外国人住民数の国籍比日本国内在の留外国人構成比聞き手:梶原克教(学術研究情報センター長)07(都道府県別・令和2年6月末)東京都19.7%その他19.7%茨城県2.5%福岡県2.8%静岡県3.5%兵庫県4.0%千葉県5.8%神奈川県8.2%埼玉県6.8%出典:法務省出入国在留管理局(都道府県別・令和2年6月末)その他13.1%ブラジル22.3%ネパール3.4%中国17.9%フィリピン14.2%ベトナム15.1%出典:愛知県外国人住民統計してくださった愛知県や関係機関にどのようなかたちで提案をしていくかについても考察する必要があります。百瀬 今回の共同研究では、インタビューとアンケートという2段階で調査をおこないました。はじめに、看護師、助産師、医師、医療ソーシャルワーカー、派遣依頼窓口担当者、AiMIS医療通訳者を対象にインタビューをおこない、つぎにその結果を踏まえ保健所や患者も対象としたアンケートを実施しています。さまざまな立場の方々から具体的な課題を導くためです。インタビューでは、より具体的な課題が、そしてアンケートでは、全体的な課題の傾向が把握できました。先行研究では、対象が限定されたものでしたが、医療通訳の課題を多方面の方々からいただいた意見を基に分析できたので、これまでにない新規性のある研究になったのではないでしょうか。  医療を受ける人たちは、その方が持つ文化的背景によって医療に対する認識が異なりますから、コミュニケーションだけでなく異文化理解も必要となります。それゆえ、通訳上の外国語能力だけでなく多文化共生にかかわるさまざまな分野の専門家のお知恵を、医療の現場にも反映させてゆけることが理想です。それを念頭に、患者の立場、医療通訳者の立場、それをサポートするAiMIS関係者の方々の立場からの意見を検証し、課題の解決方法を提言し、互いにうまく支え合っていける新たなシステム構築と運用に貢献できればと思っています。−最後に、2021年度からの本学の新研究体制についておうかがいします。戦略企画担当副学長として研究所改革を進めてこられました。百瀬 これまで本学の研究所は学部・研究科付置の体制だったのですが、分野の異なる5学部を持つという特徴があるのだから、せっかくならそれを生かすことができないかと考えました。学際的研究は世界的潮流でもありますし、国内外ともそこに充当される競争的資金も増加の一途をたどっています。ならば、専門領域を横断する研究体制を構築し、学部の枠を越えた分野横断的かつ複合的な視点での研究を推進するという、本学なりの新機軸を打ち出す方向性に間違いはないはずです。 例えば今回の医療通訳に関する研究のように、様々な専門分野の視点からみた研究調査ができれば、課題を持つ人たちに役立つ研究成果を生み、人々の生活を豊かにすることができる。まさに本学だからこそできる研究です。今後も研究力を結集し、その成果を地域に発信するとともに、様々な企業に活用していただける研究を推進できることを念頭に、新研究所体制を構築しました。 愛知県を代表に東海地方は産業が豊かな地域ですから、地元企業との共同研究などもより活性化させ、研究成果を地元企業に還元していくという連携が必要であると思っています。新設される研究推進局が舵を取り、大学の研究力も上げながら、地域の発展にも貢献できる仕組に繋げていきたいですね。Yumiko MOMOSEInterview #04代表者 | 共同研究者 | 外国語学部 准教授 糸魚川美樹外国語学部 教授 小池康弘、外国語学部 准教授 髙阪香津美、教育福祉学部 准教授 大賀有記、看護学部 教授 百瀬由美子、准教授 柴邦代、准教授 広瀬会里、情報科学部 教授 永井昌寛、愛知県多文化共生推進室 室長補佐 舘洞晋也、京都大学 国際高等教育院附属国際学術言語教育センター 准教授 塚原信行−本研究の射程についてお聞かせください。百瀬由美子副学長(戦略企画・広報担当)/看護学部 看護学科 教授糸魚川美樹 Miki ITOIGAWA外国語学部 ヨーロッパ学科スペイン語圏専攻 准教授ペルー2.8%愛知県9.6%韓国・朝鮮11.3%大阪府8.8%

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