愛知県立大学大学院 人間発達学研究科 2021
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2021 AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY修了⽣からのメッセージ13私は本学の教育福祉学部教育発達学科から進学しました。学部生の時に講義やゼミを通して児童福祉分野に興味を持ち、特に児童養護施設の学習支援という教育と福祉の狭間を研究したいと思ったため、その両方を学ぶことのできる人間発達学研究科を選択しました。大学院の講義は討論や学生の発表を中心として進むため、レジュメの作成や発表の回数、一回の講義で読む文献の量の多さに驚きました。また、レジュメ作成に際して、当初は関連する文献や資料の参照にも苦労しました。しかしそれらを通して、研究に対する姿勢の基礎が培われ、鍛えられたように思います。人間発達学研究科には様々な分野の研究を行っている教員や院生がおり、多くの交流を通して広い視野を得ることができました。また、その中で自身の研究テーマとの関連が見つかったり、新たな知見が得られたりと、とても充実した院生生活を送ることができました。現在、保育士として子どもに関わる仕事をしていますが、このような院生生活は現在の仕事にも役立っています。今私が直面している子どもの抱えている課題には、それまでの子どもの育ちや周りの環境との関わりなど様々な要因が関わっています。関連機関との連携など幅広い視野を持って支援を行ううえで、大学院での学びは貴重な体験となっています。深尾奈津⼦名古屋市保育士(施設)〈プロフィール〉2009年愛知県立大学教育福祉学部教育発達学科入学2013年愛知県立大学教育福祉学部教育発達学科卒業2013年愛知県立大学大学院人間発達学研究科博士前期課程入学2015年愛知県立大学大学院人間発達学研究科博士前期課程修了2015年名古屋市保育士(施設)採用2014年3月、愛知県立大学大学院人間発達学研究科より「博士(人間発達学)」の学位(本研究科第1号)をいただくことができました。1993年に本学児童教育学科に編入学(編入学制度創設の第1期生)以来21年間、実にたくさんの先生方のご指導に支えられて、ここまでたどりつくことができました。私が長年抱えてきた問題関心を博士論文としてまとめるための転機は、まさに、人間発達学研究科博士後期課程の創設(2011年)にあり、その第1期生として「人間発達学」という学際的研究環境に巡り会えたおかげです。本研究科では「発達主体の法則性」「発達主体の学びを保障する実践理論」「発達主体の生活を支える社会システム」の3つの探究に沿って、総合的に「人間発達学」という新しい研究領域の創造をめざしています。とりわけ、日米の教育行政学研究の第一線をリードされる恩師の全面的な支援と導きにより、私の研究(J. Comer「学校開発プログラム」:米国都市学区における貧困・マイノリティ家庭の子どもの学習・発達保障の取り組み)のインタビューを通して、今日の米国都市学区教育委員会・学校・親・大学関係者による協働的取り組みを描き出しています。現地に赴き、生きた人々の取り組みに触れ、経験を共有する機会を得て、本論文の中に、子どもの最善の利益を願って協働的アプローチを構築する人々の魂を吹き込めたように思います。このような豊かな出会いの創出とともに、それを学界レベルの研究へと導き支援してくださる研究指導体制が、人間発達学研究科に整っています。さらに、博士後期課程には、私と同様、リカレント教育として学部に編入学し、継続して研究を進めている同輩も多く通っています。相互研鑚しあう「同僚性」も、研究を進める励みになります。これから入学される方々が、ぜひ、本研究科の学際的な研究環境を活用して、博士論文の執筆と「人間発達学」の発展にご活躍されることを心より祈念しております。藤岡恭子岐阜協立大学教授〈プロフィール〉1993年愛知県立大学文学部児童教育学科編入学1995年同卒業1996年愛知教育大学大学院教育学研究科修士課程入学1998年同修了2001年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期課程入学2011年愛知県立大学大学院人間発達学研究科博士後期課程入学2014年同修了博士(人間発達学)取得2015年鈴鹿大学短期大学部教授2017年鈴鹿大学こども教育学部教授2018年岐阜経済大学教授2019年岐阜協立大学教授勤務中の様子米国調査にて学区教育長をはじめ教育委員会の方々と

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