愛知県立大学大学院 人間発達学研究科 2021
5/16

GRADUATE SCHOOL OF HUMAN DEVELOPMENT修士論文題目■「集団づくり」の実践にみるインクルーシブ保育の展開-集団像に焦点をあてて-■「知的障害者の障害者支援施設(入所施設)からの地域生活移行について」-愛知県における地域生活移行の実態と一考察-■階名による旋律のピッチ認知と全音階スキーマ形成の関係性-中学生を対象とした認知実験-■小中学校教師における「個別の指導計画」・「個別の教育支援計画」の作成と活用を阻害・促進する要因についての構造的分析■若年性認知症の人の家族支援にセルフヘルプグループが果たす役割の検討■子ども・子育て支援の展開から考える地域共生社会の実現に向けた一研究■科学的認識を育てる保育方法に関する考察-自然認識を中心に-■戦後生活指導実践が果たす「学校の福祉的機能」についての考察-雑誌『生活指導』の分析から-■子どもの「社会参画」能力の育成に関する一考察-小学校と地域の教育力に着目して-■低所得単身高齢者の住宅を確保する可能性-名古屋市営住宅条例を事例に-■内モンゴル自治区民族学校における教育指導に関する研究-内モンゴル自治区民族学校の実地調査より-■コミュニティソーシャルワーカーによる住民のマネジメントを基盤とした地域包括ケアシステムの構築■5歳児のリレーの保育目標とその指導法に関する研究-乳児期からの取り組み-■特別支援教育における教師の指導力に関する研究■新たな図書館の役割と理論に関する研究-公共図書館の新たな実践を素材としてー■大学におけるキャリア支援と学生相談活動のあり方-保育者養成校から社会への橋渡し-■児童養護施設における「生い立ちの整理」の現状と意義に関する研究-全国児童養護施設実態調査より-■精神科病院への長期入院経験者によるそれぞれの「退院」の意味-社会関係の広がりに着目して-■母子通所施設における遊びを通しての療育方法の検討-母子関係に着目しての実践分析より-04授業紹介精神保健福祉論特講教育心理学特講この講義では教育に関わる様々な事象・課題を心理学の視点から捉え、討論を通じて分析の力を養います。この科目は臨床発達心理士の資格に必要な「臨床発達心理学の基礎に関する講座」を兼ね、臨床現場に関連した心理学の理論や応用について学び、後期では教育に関連した特定のトピックについて検討します。昨年度後期は発達研究の基礎を築いた論文を最近の研究から捉え直す試みをした文献を読んで、教育との関連からどう分析できるかについて議論を深めました。〈担当教員三山岳〉精神保健福祉というと、かつては精神疾患を有する人たちのものと狭く考えられていました。しかし今は、広く精神障害のある人の社会参加の促進と主体的満足感、および国民全体の心の健康の維持・向上のための政策・支援理念・諸活動の総体をさすようになってきました。この講義では精神保健福祉の現在の諸課題がどのように形成されてきたのかについて、歴史的な変遷とともに理解を深め、今後の政策展望を見出すべく討論を深めます。〈担当教員宇都宮みのり〉〈担当教員宇都宮みのり〉私はスクールソーシャルワーカーとして、複数の専門職と連携し、子ども達がより主体的に人生を歩んでいける環境づくりに取り組んでいます。子ども達は生活する地域で様々な関わりを通じ、人と環境との相互作用を重ねています。そうした日常の中で、子ども達やそのご家族が生活のし辛さを抱え、精神保健福祉領域の対象として、相談援助職に繋がってくることもあります。講義では、現代社会と精神保健福祉を取り巻く状況を整理し、各人で新聞記事の中から精神保健福祉の課題について考察することを継続しています。また、実践現場での援助対象者が幅広い年齢層であることから、精神保健福祉の処遇に関する歴史的な理解の深まりが、現在の具体的な支援を検討することにもつながるものと感じています。この講義で精神保健福祉領域の歴史的な変遷への理解を深め、より現代社会に即応する対人援助につなげてゆきたいと考えています。私は幼保連携型認定こども園で保育教諭をしています。また、小学校に配置される特別支援教育支援員に関わる活動もしており、教育心理学は自分にとってとても重要な学びとなっています。保育現場でも、小学校においても、個別の支援・指導の必要なお子さんは多く、日々その方法に迷い、悩んでいます。講義では、臨床現場に関連する心理学についての基礎理論や実践方法についての教本を使い、院生で読みまとめ、討論しています。院生の職種が様々なので、多角的な視点の意見も交わし合うことができ、毎回とても刺激的です。これまでの自分の保育を振り返ってみると、経験から来る感覚的なもので動いてきたことが、この講義を通して生涯発達の考え方や、発達理論の歴史、現代社会の問題、支援活動の実践などについて丁寧に学んで行くことで、確かなものになります。保育や教育に対する支援活動に意味づけがなされれば、また現場にお返しすることができるのではないかと思っています。(受講者志村美和)(受講者前泊さとみ)

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る