愛知県立大学大学院 国際文化研究科 2022
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15AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY業績 ●“Project-Based Learning for Global Communicative Competence” JALT Postconference Publication JALT2016, 297‒306, 全学語学教育学会(共著) ●「日本語教育と日本語教育実習の融合を目指した相互交流プログラム─インドネシア・ガジャマダ大学における教育実践を基に─」CAJLE2014 Proceedings, pp.66‒73、カナダ日本語教育振興会 ●『聞いて覚える話し方 日本語生中継シリーズ』(共著)くろしお出版宮谷 敦美 教授[みやたに あつみ]■授業科目日本語教育学研究■専門・専攻領域日本語教育学■最終学歴大阪外国語大学大学院外国語学研究科修士課程、神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程■学位修士(言語・文化学、大阪外国語大学)、修士(経営学、神戸大学)研究内容・教育方針 現在、研究テーマとして「『外国にルーツを持つ生活者(以下、外国人生活者)』のコミュニケーションの現状を明らかにすることと、彼らの日本語学習支援に必要な教材開発」に取り組んでいます。外国人生活者の日本語学習支援を考えていくためには「いかに日本語を効率よく教えるか」だけでは不十分で、日本語母語話者も含めた人々が「背景文化や母語の異なる人々とどのようにコミュニケーションをとれば意思疎通ができるのか」を考え、実践していく場が必要だと考えています。日本語学習支援や教材開発に関する研究をするには、日本語支援の実践を通して、自身の活動を内省することが不可欠です。「日本語教育学研究」を履修する人も、単に授業で学ぶだけではなく、具体的な活動を通して理解を深めてほしいと願っています。業績 ●「形容詞と前置詞格目的語の語順について─独独辞書の用例の分析を基に(1)─」『外国語学部紀要』第50号、2018 ●「形容詞と前置詞格目的語の語順について─独独辞書の用例の分析を基に(2)─」『外国語学部紀要』第51号、2019 ●「形容詞と前置詞格目的語の語順について─独独辞書の用例の分析を基に(3)─」『外国語学部紀要』第52号、2020人見 明宏 教授[ひとみ あきひろ]■授業科目言語学・諸言語研究■専門・専攻領域ドイツ語学・文法、テクスト言語学、統語論■最終学歴早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程ドイツ文学専攻単位取得満期退学■学位文学修士(早稲田大学)研究内容・教育方針 伝達価値と言語表現、テクストの構造、文の統語構造を研究テーマとしています。テーマ・レーマ、新旧情報、焦点などの伝達価値に関わる要素が、どのような形で言語表現(文の統語構造、テクストの構造)に影響を与え、反映されるのかを考察しています。具体的には、代名詞、冠詞、語順、相関詞などが研究対象となります。さらに、これらの要因がテクストにどのような形となって現れるのかも、研究課題です。また、前置詞格目的語を支配する形容詞と相関詞、述語形容詞が用いられた文などの統語構造も研究対象としています。授業では、主にドイツ語のさまざまな文の構造を依存関係文法の観点から、また語順を統語論とテクスト言語学の観点から考察していきます。業績 ●『フランス語における有標の名詞限定の文法』早美出版社[2004年] ●『プログレッシブ仏和辞典』(第2版)小学館(執筆協力)[2008年] ●『トライ!フランス語』駿河台出版社(共著)[2009年] ●『グラメール・ナポ』朝日出版社(共著)[2014年]長沼 圭一 教授[ながぬま けいいち]■授業科目言語学・諸言語研究■専門・専攻領域フランス語学■最終学歴筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程■学位博士(言語学)研究内容・教育方針 現代フランス語における冠詞の機能について研究しています。冠詞の一見特殊なように思われる用法のメカニズムや冠詞の有無による解釈の違いなどについて考察を行っています。 大学院の授業では、専門である冠詞等による名詞限定の問題を中心に扱う予定ですが、受講者の研究テーマや興味対象を考慮し、さまざまな言語現象について柔軟に取り上げていきたいと思っています。できるだけ活発に意見交換ができるよう、アットホームな雰囲気の授業を目指します。業績 ●2012. Goal Voice and Conveyance Voice of Seediq. In Nakamura and Kikusawa (eds.) Obʲectivization and Subʲectivization: A Typoˡoɡy of Voice Systeⅿs. Senri Etʰnoˡoɡicaˡ Studies ₇₇. Osaka: National Museum of Ethnology. 77‒95. ●2009.「セデック語」.中川裕監修『ニューエクスプレス・スペシャル 日本語の隣人たち』.東京:白水社.10‒29.月田 尚美 教授[つきだ なおみ]■授業科目言語学・諸言語研究■専門・専攻領域言語学、形態論、台湾原住民諸語■最終学歴東京大学大学院人文社会科学研究科■学位博士(文学)研究内容・教育方針 私の専門分野は言語学で,特に興味があるのは,形態論,統語論,言語類型論である。台湾に野外調査に出かけて台湾原住民の言語の記述に取り組んでいる。台湾原住民の言語は,若い世代がその言語を話せなくなっている。つまり,消滅の危機に瀕している。それを再活性化させていきたい,と考える人たちもおり,言語学者としてそれを支援するのも課題の一つである。 指導学生には,自分が興味を持った言語を一つ選んで,現地調査に赴くなどして,言語の記述に挑戦してほしい。それを演習形式の授業で発表し,論文に仕上げてもらう。調査で得た資料を分析し,言語を記述するのに必要な知識,技量はたくさんあり,授業ではそれもしっかり学んでほしい。その言語あるいは周辺の言語の先行研究を踏まえることももちろん重要である。業績 ●ʻOn the deictic patterns in Kinnauri (Pangi dialect)ʼ In R. Bielmeier and F. Haller eds., Linguistics of the Himalayas and Beyond, Berlin: Mouton de Gruyter, pp.341‒54, 2007/11. ●A descriptive and morphosyntactic study on Kinnauri(2),2004‒2007年度文科省科研費報告書(代表者 高橋慶治)、2008年3月。 ●「キナウル語の名詞句構造と修飾構造」 池田巧(編)『シナ=チベット系諸言語の文法現象1:名詞句の構造』京都:京都大学人文科学研究所,pp.155‒70. 2016/3高橋 慶治 教授[たかはし よしはる]■授業科目言語学・諸言語研究■専門・専攻領域キナウル語記述研究■最終学歴京都大学大学院博士後期課程研究指導認定退学■学位京大博士(文学)研究内容・教育方針 私の専門分野は野外調査による言語記述です。対象とする言語はチベット・ビルマ諸語の一つであるキナウル語であり、この言語はインド北西部のヒマーチャル・プラデシュ州キナウル地区で話されています。言語の記述では、その言語がどのような発音や単語をもち、どのような文法体系をもっているかを明らかにすることを目標とします。私の教育方針は、学生が自分で研究できる力をつけるようにすることです。そのため、学生には自分の考えを発言するように求めます。むろん、その考えは言語学的な発想に基づく必要があります。思いつきではなく、十分根拠のある発想を得るためには、その背景となる知識が必要です。したがって、学生には関連図書をなるべくたくさん読んでいただきたいと思います。業績 ●分化の動機としての制約の文法化(2009) 愛知県立大学外国語学部紀要41号 ●言語と系統関係Ⅰ(2008) 愛知県立大学外国語学部紀要40号 ●アイスランド語史における動詞非定形要素位置変化の意味(2006) 日本アイスランド学会会報25号櫻井 健 教授 [さくらい たけし]■授業科目言語学・諸言語研究■専門・専攻領域言語学、北欧語学、言語変化・言語接触■最終学歴東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学■学位文学修士・修士(学術)研究内容・教育方針 研究内容:近年は言語接触について、その社会的な側面はもとより、言語内的な現象の分析まで視野に入れて考察を重ねている。また文法化現象を中心とした言語変化の観察にも研究上の重点を置いている。両者は無関係ではなく、これについて、言語活動は人間というエージェントが行なっていることや人間の行為の特性が言語に反映されていることなどを踏まえ、統一的な解釈の可能性を探っている。 教育方針:いずれにせよ受講生の自発的参加が重要であり、自分で考えるという態度を求める。そのためにも読解力は重要である。言語接触の分野はドイツの研究者によって開拓された分野であり、またヨーロッパにおける言語接触の研究にはフランス語の文献が必須である。また関連する分野のおいての基本的文献は英語で書かれている。このためまず基礎トレーニングとして文献を読む力をつける必要がある。指導はそれを前提として行なう。

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