愛知県立大学大学院 国際文化研究科 2022
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16AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY業績 ●「日本人が使えない英語の重要フレーズ125」、共著、2009、研究社 ●「日本人の知らない英語必須フレーズ150」、共著、2006、研究社 ● A Promotion Analysis of Japanese Relative Clauses, English Linguistics, vol.23: 1, 113‒136, 2006.糸魚川 美樹 准教授[いといがわ みき]■授業科目言語学・諸言語研究■専門・専攻領域スペイン語学、社会言語学、医療通訳■最終学歴名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程(後期課程)満了■学位修士(学術)研究内容・教育方針 スペイン語を社会言語学的観点からとらえることを目的とし、とくにジェンダー概念を用いて考察している。また最近では、南米出身者の増加に伴う日本社会におけるスペイン語使用・スペイン語教育について、フィールドワークや実践を通した考察を試みている。授業では、スペイン語圏の言語問題を扱う。日本語による社会言語学に関する文献を参考にしながら、スペイン語で出版されている社会言語学概論・各論の文献をテーマごとに読み進める。各回の担当者が、関連する文献を参考にしながら指定文献をまとめレジュメを用意し、それをもとに議論するという形式ですすめる。学期の終了時には、先行研究と独自のデータ・分析結果をまとめ提出する。森田 久司 教授[もりた ひさし]■授業科目現代英語学研究、言語文化研究特講(博士後期課程)■専門・専攻領域英語学、言語学、統語論、意味論■最終学歴オックスフォード大学大学院一般言語学学科博士課程■学位D. Phil研究内容・教育方針 研究内容:英語と日本語をはじめ、自然言語の統語構造と意味構造に興味があります。統語構造というと何か? 文法と同じもの? と考える人もいるかもしれませんが、20世紀に入り、我々の話す文というのは、さまざまな移動を経て、最終段階が発音となって現れているものということがわかり、その結果、自然言語に対する理解が深まりました。私の研究は、その中でも WH 移動というものに中心を置いてきましたが、最近はboth A and B, either A or BのようなCoordination の構造や「(し)たい」、「(し)たがる」、「自分」などの文脈に依存する指示語にも興味があります。 教育内容:英語又は日本語で書かれた本や論文を読み、英語をはじめ様々な言語の特徴的な現象を観察・理解したうえで、論文の主張をまとめ、発表してもらいます。さらには、問題点を指摘し、最終的に自分なりの主張を持てるようになることを目標とします。業績 ●「参照点構造におけるプロファイル・シフトによる自他交替」『愛知県立大学外国語学部紀要(言語・文学編)』第51号, 139‒158, 2019年 ●「中国語の把構文における視点変動と目的語交替:「V-满」を述語とする場合を中心に」『認知言語学研究』2, 57‒78, 2017年,開拓社 ●「非能格自動詞による動補構造に関する構文文法的な考察─パートニミーとトポニミーによる意味拡張」『現代中国語研究』12, 1‒8,2010年,朋友書店楊 明 准教授[よう めい]■授業科目中国語学研究■専門・専攻領域現代中国語文法、日中対照言語学、中国語教育■最終学歴千葉大学社会文化科学研究科博士課程修了■学位博士(文学)研究内容・教育方針 研究内容:現代中国語の動詞と構文について、認知言語学のパラダイムで日本語との対照も視野にいれた研究を行っている。最近は現代中国語とメトニミーの関係について研究している。具体的には、動詞や名詞の多義性とメトニミーとの関係や二重主語構文とメトニミーの関係を中心に研究を展開している。特定の文脈において、メトニミーが語彙や構文の意味拡張にどのような機能を果たすものなのかが主要な研究内容になる。さらに、その機能は、果たして日本語や英語との相違点がないのかという点も研究の対象の一つになる。 教育方針:認知言語学に関する日本語や英語の文献や重要論文を読み、その基本的な理論を把握した上で、中国語の語彙や文法にかかわる現象や問題点について認知意味論的な分析・説明を行う能力を養う。受講生は、閲読文献についてパワーポイントを用いたプレゼンテーションにより口頭報告などを実施する。袖川 裕美 准教授[そでかわ ひろみ]■授業科目通訳演習(英・日)■専門・専攻領域日英同時通訳・通訳研究、コミュニケーション論■最終学歴ブリティシュ・コロンビア大学(カナダ)■学位修士(文学)研究内容・教育方針 放送通訳(NHK・BS、BBCワールドニュース、CNNなど)と会議通訳に25年あまり従事してきました。同時通訳だけが“凄い”ように思われがちですが、通訳は「逐次に始まり、逐次に終わる」と言われるように、どちらも奥が深く、常々何が伝わるコミュニケーションかを考えてきました。 授業では、アメリカ大統領の演説などを取り上げ、逐次・同時通訳演習を行ないます。そのために、シャドウイングなどの基礎訓練を行いながら、平行して、日・英の新聞を基に学生個人の「News of the Week」を作成してもらい、さまざまな分野の基本的知識(日本語と英語)を蓄積していきます。プレゼンテーション力を重視し、何が伝わるか、何を伝えるかをテーマに、授業を互いに刺激しあう学びの場にしたいと思っています。業績 ●[単著]『モダリティ表現にまつわる事実性の意味論』弘学社,2018年. ●[共著]「行為促進型表現におけるポライトネス・ストラテジーの中日仏語対照研究─公共掲示物における社会規範の表示方策を中心に─」『社会言語科学会第41回大会発表論文集』,pp.170‒173,2018年. ●[単著]「法助動詞devoirとpouvoirの陳述に関わる意味効果:語用論的観点からの分析」,『フランス語学研究』第49号,pp.43‒64︐2015年. ●[共著]« Maximiser la motivation des étudiants par un choix adéquat des examens », ʀevue ʲaponaise de didactique du français, Vol.10, pp.45‒61, 2015年.岸本 聖子 准教授[きしもと せいこ]■授業科目言語学・諸言語研究■専門・専攻領域フランス語学、意味論、語用論■最終学歴大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程 単位取得満期退学■学位博士(言語文化学)研究内容・教育方針 現代フランス語のモダリティ表現について研究しています。主に、いくつかのモダリティ表現が事実性を表すことに着目し、そのメカニズムと談話での意味効果を、人間の事態認知の観点を取り入れながら、意味論的また語用論的に探っています。また、日本語などと比較対照しながらモダリティ表現の意味効果のしくみと言語間の相違をあぶり出すことと、意味論と語用論の接点の問題を追求することも課題としています。 授業では、日本語やフランス語(場合によっては英語)で書かれた論文を読み、基礎的な理論的枠組みの理解をすすめつつ、その論文の主張をまとめてもらいます。さまざまな言語現象における課題を確認しつつ、自分の主張へと繋げられるようにすることが目標です。業績 ●「从“门帘”、“门帘子”、“门帘儿”的语义和结构谈起」,『中国語研究』,白帝社,第59号,pp.67-82,2017年 ●「「2+1」型三音節複合名詞の二音節語基」,『杉村博文教授退休記念中国語学論文集』白帝社,pp.236~257,2017年 ●「现代汉语三音节名词的词汇化以―“XY的人”和“XY人”人为例―」,『漢語与漢語教学研究』,東方書店,第5号,pp.25-33,2014年袁 暁今 准教授[えん ぎょうきん]■授業課目中国語学研究■専門・専攻領域中国語学、語構成論、生成語彙論■最終学歴大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程修了■学位博士(言語文化学)研究内容・教育方針 中国語学。その中でも「語構成論」、「名詞」特に「三音節語」が主な研究分野である。現代の中国語学においては「語」の研究は「文」の研究ほどには盛んではない。「名詞」研究もほかの品詞に比べ、乏しい。また、「三音節語」研究については、中国では「対を良しとし、偶を尊ぶ」という通り、「二音節語」研究ほどには重視されていない。しかし、私はこれらの研究分野は今後大いに深められ、重要性を増していくだろうと確信している。また新たな研究分野として、中国語の言語景観、翻訳論、社会言語学なども射程に入れている。 大学院生には、研究者の卵として、各々の言語現象をミクロ的に掘り下げていくのと同時に、常にマクロ的な視点を忘れないように心掛けてもらいたい。自らが研究している言語現象について、それが言語体系の中でどのような位置付けにあるのか、目を配りつつ、点から線へ、線から面へと研究を継続してほしい。研究能力の養成に力点を置き、授業を進めたい。業績 ●(分担執筆)「法律における「性」の記述」堀田英夫編著『法生活空間におけるスペイン語の用法研究』ひつじ書房, pp.177‒200, 2016 ●(分担執筆)「文化の仲介者たち─スペインにおける公共サービスの実践と課題」竹中克行編著『グローバル化と文化の境界』昭和堂,pp.82‒98,2015年 ●(分担執筆)「愛知におけるラテンの言語と文化」愛知県立大学歴史文化の会編『大学的愛知ガイド─こだわりの歩き方』昭和堂,pp.239‒253,2014年

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