愛知県立大学大学院 国際文化研究科 2022
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23AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY業績 ●(単著)『君主制と民主主義─モロッコの政治とイスラームの現代』風響社、2015年 ●(共著)『アラブ君主制諸国の存立基盤』アジア経済研究所、2017年 ●(共編著)『中東・イスラーム世界の歴史・宗教・政治─多様なアプローチが織りなす地域研究の現在』明石書店、2018年白谷 望 准教授[しらたに のぞみ]■授業科目比較地域研究■専門・専攻領域モロッコ政治、中東・北アフリカ地域研究、比較政治学■最終学歴上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程単位取得退学■学位博士(地域研究)研究内容・教育方針 モロッコを中心に、中東・北アフリカ地域の政治について研究しています。これらの地域では、9・11のアメリカ同時多発テロを皮切りに、2001年のイラク戦争、2011年のアラブの春、2014年からの「イスラーム国」の台頭など、現在まで混迷した状況が続いています。こうした地域的な政治変動が、各国にどのような影響を与えたのか、各政治体制の安定性・不安定性に関心を持っています。 授業では、中東・北アフリカ地域に限らず、広くイスラーム世界にも目を向け、日本語や英語の文献を読み込み、ディスカッションを行うことで、これらの地域で起きている様々な現象を分析・解釈する力を身につけます。業績 ●『東南アジア史のなかの日本占領』(倉沢愛子編)早稲田大学出版部、1997年(第1章執筆) ●『世界戦争犯罪事典』(文芸春秋編)文芸春秋、2003年(「ブリタル事件」他の項目執筆) ●『インドネシア・プロテスタント小史』(伊東定典著)ふくろう出版、2006年(編集、解題執筆)小座野 八光 准教授[こざの やこう]■授業科目アジア歴史社会研究■専門・専攻領域東南アジア近現代史、ジャワ農村経済史■最終学歴東京外国語大学地域文化研究科博士後期課程単位取得中退■学位修士(国際学)研究内容・教育方針 研究内容:第二次大戦前後の時期の東南アジア、特にジャワ島の農業の状況について、経済史学的なアプローチより研究している。具体的な手法としてはインドネシアおよび旧宗主国オランダのアーカイブにおける文献調査とジャワ村落部におけるフィールド調査をクロスチェックさせるという手法を採っている。 教育方針:アジア諸国における特殊地域的な情報を経済史・国際関係論などの方法論を介して、より一般化して理解してもらうことを基本的な指導方針としている。具体的には第二次世界大戦を経た後にヨーロッパ諸国の植民地を原型として成立した 「国民国家」 像の検証を、19世紀以降の旧宗主国による植民地統治のあり方と、当時の国際関係に留意しつつ考察していくこととする。業績 ●Anɡˡo︲Aⅿerican Connections in Japanese Cʰeⅿistry: Tʰe ʟab as Contact Zone (Palgrave Macmillan, 2013) 単著 ●ʙritain & Japan: ʙioɡrapʰicaˡ Portraits, vol. IX (Renaissance Books, 2015) 共著 ●Eurasian Encounters: Museuⅿs︐ Missions︐ Modernities (Amsterdam UP, 2017) 共編著菊池 好行 准教授[きくち よしゆき]■授業科目英米歴史社会研究■専門・専攻領域19・20世紀日英交流論、科学技術史■最終学歴英国オープン大学博士課程修了■学位PhD in History of Science, Technology and Medicine研究内容・教育方針 19世紀以降の科学技術分野での日英交流史を主な研究テーマとしています。科学技術と聞くと「理系?」と思われる方も多いと思いますが、服飾、食、陶磁器、建築などの物質文化はもちろん、美術、文学、スポーツなど様々な文化事象と深い関連があります。また日英で活躍した科学技術者のなかには「教養人」が多く、能など古典芸能の普及に関わった科学者もいます。私が研究しているのはこのような文化交流の一環としての日英科学技術交流です。 授業では19・20世紀の日英文化交流全般を扱います。その特性上、英語・日本語両方の文献を大量に読む必要が出てきますが、一番大事なのは「知的好奇心」です。何にでも面白がれると、思いがけないアングルやリンクを見つけることができます。また異文化交流には「勘違い」がつきものです。一面では誤解ですが、そこから新たなモノ・コトが創造されることもあります。突飛な発想を受け入れる柔軟性も重要ではないでしょうか。皆さんの知的冒険のお手伝いができれば幸いです。業績 ●「一八世紀ラングドックにおける地方三部会と金利生活者」『西洋史学』第227号、2007年 ●「近世ラングドックにおける身分制議会とフィナンシエ」『県大紀要(地域・国際)』37、2005 ●「一八世紀フランスの公共事業と地方財政」『西洋史学』第201号、2001年伊藤 滋夫 准教授[いとう しげお]■授業科目ヨーロッパ歴史社会研究■専門・専攻領域フランス中世・近世史、財政史研究、公債の研究■最終学歴東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学■学位博士(文学)研究内容・教育方針 研究テーマは、近世フランスにおける公債制度と金利生活者の形成、フィナンシエ(財務官僚・金融業者)の人脈関係である。近年の研究は、フランス絶対王政の中央集権化が不完全であり、ローカルなさまざまの「社団」が王権による地元の統治に協力していたことを明らかにした。「社団」のひとつである南仏ラングドック地方の三部会をケーススタディとして、三部会による公債発行、公債に投資し金利を受領した金利生活者の社会階層と地理的分布を分析している。 教育においては、フランス中世・近世史に関するフランス語論文・文献の講読を通して、フランス語読解能力を向上させる。歴史学に関する専門用語、とくに近世における司法・財政・行政制度や官職の名称をフランス語から日本語に正しく訳すことを重点に置く。業績 ●『中世後期ドイツの犯罪と刑罰』単著、北海道大学出版会、2010年 ●「中世後期・近世ドイツの犯罪史研究と『公的刑法の成立』」『史学雑誌』114編9号、2005年 ●「18世紀後半ドイツ・リッペ伯領のポリツァイとコミュニケーション」『歴史学研究』836号、2008年池田 利昭 准教授[いけだ としあき]■授業科目ヨーロッパ歴史社会研究■専門・専攻領域ドイツ中近世都市、ドイツ近世国家、犯罪の社会・文化史■最終学歴北海道大学大学院文学研究科博士後期課程西洋史学専攻修了■学位博士(文学)研究内容・教育方針 中世後期・近世ドイツの都市と国家を対象に、犯罪と刑罰という視点から、1つは、当時の人々の日常生活を再構成し、他の1つは、警察・行政、刑事裁判における法規範の意図・機能・現実的通用を研究してきました。 また宗教改革以降のドイツにおいて、諸宗派(カトリック、ルター派、カルヴァン派)が近代の社会と国家の形成に及ぼした影響を研究しています。 大学院での教育に当たっては、ドイツ語文献を正確に読解し、その論理構成を把握する訓練を行います。また近代歴史学が今日まで発展させてきた歴史学上の方法論を学び、それを自身の研究にどのように生かすか検討します。業績 ●単著 “Japanese womenʼs suicide and depression under the panopticon”『Communicating Womenʼs Health: Social and Cultural Norms that Influence Health Decisions』 Routledge, 2016 ●共著 “Mixing man and monkey in Planet of the Apes”『Tim Burton: Essays on the films』McFarland & Co., 2016 ●共著 “My little girl: Questionable coverage”『Contemporary media ethics』 Marquette Books, 2014 ●単著 “Queer male TV commentators”『Queer media images』Lexington Books, 2013 ●共著 “A ʻvexing implicationʼ: Siamese cats”『Diversity in Disney films』MacFarland & Co., 2013秋田 貴美子 准教授[あきた きみこ]■授業科目英語表現演習、国際コミュニケーション■専門・専攻領域コミュニケーション学、日米文化■最終学歴オハイオ大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了■学位博士(コミュニケーション学)研究内容・教育方針 日米文化、多文化を人類学、女性学の領域から研究をしています。言葉遣い、仕草、ふるまいの他、メディアメッセージやポップカルチャーの背後に隠れているエスニック・人種・ジェンダー・セクシャリティーに関する偏見、差別に焦点をあて、人と文化、人と社会の関係を研究しています。人が生まれ育ち成長していく時、どのように文化が影響するのか。人の生き方や決断にどういう影響を与えるのかに大変関心があります。みなさんといっしょに、人と文化の関係、文化の影響、そして常に変化し形を変えていく文化形成について考えていきたいと思います。

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