愛知県立大学大学院 人間発達学研究科 2023
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■保育士の専門職化に関する研究-「管轄権(jurisdiction)」をめぐる言説に着目して-■発達障害者に対する生活支援の一考察-単身者への生活支援に着目して-■成年後見制度利用促進における中核機関の設置にかかる広域連携の手法に関する研究-愛知県内の実践をふまえて-■子どもの思いに寄り添った支援とは何か-場面の切り替え時の保育者の関わりを中心に-■就労継続支援B型事業所におけるディーセントワークの現状と課題■「スクールソーシャルワーカーの資質向上に向けた研修」の効果的実施に関する検証-文部科学省『スクールソーシャルワーカー活用事業実践活動事例集』の分析より-■関係的子どもの権利論を基底とした子どもの学校参加に関する研究―従来の子ども参加論の批判的検討と三者協議会・川西市子どもの人権オンブズパーソン条例の分析をとおして―■貧困の子どもを有する学習集団への教師の指導■貧困がもたらす心理的要因についての考察―貧困観という視点―■自閉症児の母親が家庭で行う療育―自らの体験を踏まえて―■放課後児童クラブの実態と課題-A市の事例の検討を中心に-■実習期間満了後の中国人技能実習生の意識-遼寧省出身技能実習生を中心に-修士論文題目授業紹介教育心理学特講この講義では教育に関わる様々な事象・課題を心理学の視点から捉え、討論を通じて分析の力を養います。この科目は臨床発達心理士の資格に必要な「臨床発達心理学の基礎に関する講座」を兼ね、前期は臨床現場に関連した心理学の理論や応用について、後期は教育に関連した特定のトピックについて検討していきます。昨年度は人と人とが認め合うという点で教育学や社会学に影響を与えた、アクセル・ホネットの『承認論』を読み、教育や保育現場でどのように活かせるかを議論しました。私は幼保連携型認定こども園で保育教諭をしています。また、小学校に配置される特別支援教育支援員に関わる活動もしており、教育心理学は自分にとってとても重要な学びとなっています。保育現場でも、小学校においても、個別の支援・指導の必要なお子さんは多く、日々その方法に迷い、悩んでいます。講義では、臨床現場に関連する心理学についての基礎理論や実践方法についての教本を使い、院生で読みまとめ、討論しています。院生の職種が様々なので、多角的な視点の意見も交わし合うことができ、毎回とても刺激的です。これまでの自分の保育を振り返ってみると、経験から来る感覚的なもので動いてきたことが、この講義を通して生涯発達の考え方や、発達理論の歴史、現代社会の問題、支援活動の実践などについて丁寧に学んで行くことで、確かなものになります。保育や教育に対する支援活動に意味づけがなされれば、また現場にお返しすることができるのではないかと思っています。〈担当教員三山岳〉(受講者志村美和)■演奏者の身体の動きが聴取者の演奏評価に及ぼす影響に関する実験的研究■精神障害者共同作業所設立初期における実践思想■生活指導論に基づく大学の授業づくりに関する一考察-田中容子実践を手がかりとして-■わが国における知的障害児者の選択行動に関する研究の動向と展望■特別なニーズがある子どもの就学移行支援―幼児期における就学相談を中心に―■「集団づくり」の実践にみるインクルーシブ保育の展開-集団像に焦点をあてて-■大学生英語学習者の効果的な語彙学習方略使用の促進要因と不使用理由に関する研究-習熟度別および方略の種類別の比較分析から見た方略使用の特徴-■「知的障害者の障害者支援施設(入所施設)からの地域生活移行について」-愛知県における地域生活移行の実態と一考察-■階名による旋律のピッチ認知と全音階スキーマ形成の関係性-中学生を対象とした認知実験-■養育支援訪問事業における支援のあり方に関する研究-支援者・利用者双方の視座より捉えて-■小学校における自己肯定感を育む実践に関する研究-関係性と学びに関わって-■「食」教育への提言-コメから学ぶ人と社会・経済・文化-■ヤングケアラーへの支援の現状と課題に関する研究-スクールソーシャルワーカーへのヒアリング調査を通して-■東日本大震災広域避難者の「避難」における意思決定課題と支援効果-愛知県を事例として-■教育としての運動部活動指導に関する研究-「自治能力の形成」と「競技力の向上」の両立を目指す運動部活動に着目して-精神保健福祉というと、かつては精神疾患を有する人たちのものと狭く考えられていました。しかし今は、広く精神障害のある人の社会参加の促進と主体的満足感、および国民全体の心の健康の維持・向上のための政策・支援理念・諸活動の総体をさすようになってきました。この講義では精神保健福祉の現在の諸課題がどのように形成されてきたのかについて、歴史的な変遷とともに理解を深め、今後の政策展望を見出すべく討論を深めます。私はスクールソーシャルワーカーとして、複数の専門職と連携し、子ども達がより主体的に人生を歩んでいける環境づくりに取り組んでいます。子ども達は生活する地域で様々な関わりを通じ、人と環境との相互作用を重ねています。そうした日常の中で、子ども達やそのご家族が生活のし辛さを抱え、精神保健福祉領域の対象として、相談援助職に繋がってくることもあります。講義では、現代社会と精神保健福祉を取り巻く状況を整理し、各人で新聞記事の中から精神保健福祉の課題について考察することを継続しています。また、実践現場での援助対象者が幅広い年齢層であることから、精神保健福祉の処遇に関する歴史的な理解の深まりが、現在の具体的な支援を検討することにもつながるものと感じています。この講義で精神保健福祉領域の歴史的な変遷への理解を深め、より現代社会に即応する対人援助につなげてゆきたいと考えています。精神保健福祉論特講〈担当教員宇都宮みのり〉(受講者前泊さとみ)04GRADUATE SCHOOL OF HUMAN DEVELOPMENT

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