愛知県立大学 新大学誕生10周年・長久手移転20周年記念誌
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卒業生・教職員からの寄稿はじめの六年 森 正夫 元学長(第10代)社会活動」(2001)、「一般外国語教育」(2002)であった。そして2003年度の自己点検・評価委員会が設定した課題が「愛知県立大学における地域連携・地域貢献」であった。(2)本学に沸き起こった自らへの内的な問いかけ しかしながら、自己点検・評価と将来計画を任務とする評議会第三委員会の2003年度第1回会議で、文学部の一委員から自己点検・自己評価の課題として、地域連携・地域貢献が提案された際の同委員会の空気は忘れることができない。他にも懸案の課題は複数存在していた。だが、すべての委員がこの一委員の提案に対し、即座に心からの賛意を表明し、同委員会の採択するところとなったのである。それは、本学が、すでにこの面で十分な実績を挙げてきたという確信をもち、適切な総括をするに足る理論的準備を終えていたからでは必ずしもない。自分たちが果たして公立大学の使命である地域連携・地域貢献において何ほどのことをしてきたのか。どのような問題点を持ち、どのように取り組むべきか。本学構成員は、むしろそのことを客観的に把握したいと考えていたのである。私たちは地域連携・地域貢献において何をなすべきかを自らに問いかけたのであった。それは21世紀初頭の稀に見る複雑な状況の中で、愛知県設置の公立大学としての本学の存在意義を自ら明らかにするための不可欠の営為であった。(3)全国嚆矢の試みとしての地域連携・地域貢献それ自体の自己点検・評価 この自己点検・評価に際し、本学の学生、院生、卒業生及び保護者、愛知県の教育界、産業界及び地方自治体から寄せられたアンケートにおいて、地域連携・地域貢献に関わる本学の活動はどのように受け止められているか。そこにはどのような特徴があり、どのような問題点が内在しているか。本学の構成員は真摯な眼差しで本報告書の検証を見守り、本学の学外評価委員会のご批判を待った。 地域連携・地域貢献を直接的にテーマとする全学的な自己点検・評価は、全国的に見て、おそらく本学のこの試みをもって嚆矢とする。それだけに、本学構成員は、本報告書の採用した項目の設定や分析の視点が自己点検・評価の方法論として適切であるか否かについても大方のご教示を得たいと願った。 最後に、本文約230頁、参考資料及びアンケートデータ約280頁の大部な本報告書を作成した自己点検・評価委員会及び事務局の関係各位に厚くお礼を申し述べたい。典拠:愛知県立大学自己点検・自己評価委員会2003年度報告書「愛知県立大学における地域連携・地域貢献」(2004年3月) 長久手キャンパス開設当初6年間の歩みの特徴的側面のご紹介と言いながら、その間に自ら記した文書の抜粋に留まり、汗顔の至りである。最後の3行にも、21年前の文末の謝辞を使わせていただいたが、感謝の気持ちは当時と変わらない。なお、Ⅲでは現県大総務課のご支援を得たことを記させていただく。21

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