愛知県立大学 新大学誕生10周年・長久手移転20周年記念誌
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卒業生・教職員からの寄稿小栗 由紀子 学術情報部図書情報課 職員(文学部英文学科 卒業生) 愛知県立大学長久手キャンパス移転20周年おめでとうございます。私は長久手キャンパス図書館で職員をしております小栗と申します。 私は移転2年目に愛知県立大学文学部英文学科の学生として入学しました。当時長久手キャンパスへは藤が丘からバスで通学しておりました。長らくバスに揺られたのち、愛知県立大学のキャンパスが見えると、とてもほっとした記憶があります。また初めてキャンパスを見た時のことを覚えています。バスに乗っていた学生たちが「わっ、きれい、とてもきれいな校舎」と声をあげていたのを思い出します。私も一緒に喜んでいました。昨日のことのように思い出されます。 長久手キャンパスでの思い出はたくさんあります。朝早く来て、教室で勉強して過ごしたこと、学食でお昼ご飯を食べたことなどあります。学食の近くの丘でのんびり過ごすこともありました。お昼には様々な話を同級生としていました。勉強のこと、アルバイトのことなど。英文から訳した日本語を友人と見比べるなど、みんなで遊びながら勉強をしたことを思い出します。 授業は少人数で行われることが多く、皆で授業に参加することができました。課題に沿って、意見を話しました。授業では英語の文章を読み、解読していきました。ややこしい表現でも新しい表現、意味がわかるととても楽しかった覚えがあります。またTOEICの勉強も試行錯誤しながらみんなで勉強をしていたことを思い出します。 夏には英国ブリストル大学夏期語学研修に参加し、イギリスの地で1カ月過ごしました。これは私が初めて海外に出かけたもので、慣れるまでは毎日緊張をしていたように思います。朝から夕方まで授業を受け、英語を話し、ホストファミリーの自宅でも英語を話すという生活をしました。知らない土地でバスに乗ったり、友人たちと旅行をしたりすることは慣れない部分が多かったですが、この経験によりさらに多くのものを学べたと思います。ホストファミリーに旅行先から一度電話連絡を入れるように言われたことがありました。今どこにいて何をしているのか、いつ帰るのかを伝えたのを覚えています。無事伝えることができ、気をつけて帰ってきてほしいということが聞き取れた時とても安心しました。 帰国後はゼミで先輩と交流を深めたり、ゼミの文献を読み解くために図書館でThe Oxford English Dictionaryを引き、語源を調べたりしました。一つの英単語でも様々な意味を持つことがわかり、どの言葉を当てはめればいいのかを考えていました。卒業論文を作成することはとても大変でしたが、完成した後とても充実した気分になっていました。多くの文献を読む機会にも恵まれました。 卒業後は大学で学んだことを生かし、海外から電子部品やパソコン周辺機器を輸入する仕事に就きました。毎日台湾、香港に電話をする日々では、大学時代に培った忍耐力、海外での経験が役に立ち、粘り強く交渉を進めることができました。英語と日本語を駆使しながらいかにお互いの要求を伝えることができるかを考えていました。社会人として、毎日色々なことを学びながら成長をしていくことができました。 大学職員として愛知県立大学に戻ってからは庶務課に配属され、給与や福利厚生を担当しました。なかなか職員として生活していくことは苦労が伴いましたが、時々庶務課にいらっしゃいました恩師の先生方にはいろいろとお声がけをしていただきました。福利厚生の話をさせていただくとともに、昔のことを思い出し、心が和みました。英国ブリストル大学夏期語学研修を引率していただいたI先生やゼミのK先生とたくさんお話をさせていただきました。年月は経ちましたが、ついこの前のことのように感じられました。 学生時代から現在にかけて年月を経ても変わらない県立大学があります。 大学時代の友人たちとも交流を続けています。よい時もあれば助けが必要な時もあります。その時にお互いに励ましあい、よい道があればみんなで考えていく少人数のゼミで培ったものがいまだに活用できています。 これから愛知県立大学は先を見据えて多くの学生たちに生きる活力を与えるような学校になっていってほしいと思います。私も職員として協力し、よりよい魅力あふれる愛知県立大学にしていけたらと思います。33県立大学ともに歩んだ20年

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