愛知県立大学 新大学誕生10周年・長久手移転20周年記念誌
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egasseM1.ごあいさつ久冨木原 玲学長 このたび、本学は長久手移転20周年と新大学設立10周年を迎えました。周年は本学の今までを振り返り、これからの大学の展望を描くための大切な節目です。そこで私は、任期中の3年間を周年事業期間に充てることにいたしました。1年間だけの記念式典や祝賀会に終わらせず、3年間にわたって本学の存在感を学内外に周知し認識して戴くことによって、本学のさらなるステップとしたいという思いからです。 そして学長就任時の2018年を準備期間として、2019年が本番、2020年度は周年事業の成果発信の年と位置付けました。その中心的な事業は、「災害弱者対策・支援プロジェクト」です。災害は日本や世界各地で頻発しており、特に愛知は、南海トラフ地震に見舞われる恐れがあると言われています。 私は、就任時の3つのビジョンのひとつに「いのちの学びと探究」を掲げました。そこで上記のプロジェクトを、このビジョンの一翼を担うものとして、周年事業に位置づけたのです。「災害弱者」の「いのち」を守ることは、すべての人のいのちを救うことにつながります。弱者には幼児・高齢者・障害を持つ人などのほかに、愛知県域に多く居住する外国籍の人々も含まれます。外国人とどのように共生していくかということも喫緊の課題です。本学は看護学部や外国語学部を中心に他の3つの学部も、教育や文化、最新のテクノロジーなど多様な角度から、この課題を受け止めることができます。 私の残り2つのビジョンは、「異文化交流を通じて人をつなぎ世界を結ぶ」・「5学部連携による研究と教育」ですが、これらも「災害弱者」のプロジェクトに密接にかかわります。外国籍住民等との異文化交流と5学部連携を含む3つのビジョンを組み込んだ周年事業プロジェクトこそ、「災害弱者対策・支援プロジェクト」なのです。 このように、この地域の人々の「いのち」を守る課題に5学部が連携して取り組むことは、本学独自の活動になり得ます。そして、この試みは近隣地域への貢献にとどまらず、日本各地あるいは世界各地域ともつながるような知見を生み出す可能性を秘めています。ぜひ、このような方向性で、本学ならではの研究・教育・地域貢献を進めていきたいと考えています。 ここに掲げた「愛知と世界の『一隅を照らす』大学へ」という標題は、私のビジョンのエッセンスです。同時に、これからの本学の展望であると共に、私の切なる願いです。 最後になりましたが、式典・祝賀会にご列席戴きました愛知県知事大村秀章様、大垣共立銀行取締役会長故土屋嶢様、佐々木雄太元学長はじめ、みなさま方に厚く御礼申し上げます。全学同窓会会長山下達治様、同事務局長佐野正様には、周年記念事業実行委員会の正式な委員として格別のお力添えを頂戴いたしました。ここに記して、深謝申し上げます。6愛知と世界の「一隅を照らす」大学へ

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