愛知県立大学大学院 人間発達学研究科 2024
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●理科教育史研究をしています。現在の研究テーマは、小学校理科誕生の要因解明です。小学校の理科は、明治10年代の終わりに誕生しました。それまでは、小学校でも物理や化学といった学問ごとに教科が設定されていました。それが統合されて理科となった要因はいまも分かっていません。私の研究では、当時の日本の経済状態から、それが初等教育に与えた影響を分析して、理科誕生の謎に迫ろうと考えています。●新自由主義改革下における美術の教育政策・文化政策の分析、コミュニティのエンパワーメントや市民性の涵養に関わるデザインや現代アートの事例調査などをしています。近代以降の芸術は、個の「主体性」を問うてきました。しかし現代は、先進国でもそれを無前提にできなくなり、また日本では達成できていなかった近代の問題が露呈しています。このような社会的文脈で、アートがどのような機能を担う必要があるのかを考えています。●二つの研究を中心にすすめています。1.新自由主義イデオロギーが教育課程・教育内容にどのように浸透しているのか、という問題。なぜ新自由主義に対する抵抗がここまで弱体化しているのか、その教育との関連を考察しています。2.アジア・太平洋戦争、日本国憲法についての認識と教育との関連の問題。これと関わって、戦争・憲法についてのモニュメントや資料館の調査もしています。社会福祉学社会保障論福祉政策評価論ソーシャルワーク論精神医療史平和教育教育課程政策論社会科教育少子高齢化等社会構造が類似する日本と韓国をリサーチフィールドとして社会保障制度の分析に取り組んでいます。主な研究テーマは、貧困・格差・不平等の動態を分析した上、所得保障政策及び(就労)自立支援政策の在り方を検討すること、計量経済学の分析手法を用いて様々な社会保障制度の政策効果の検証・評価を行うことです。これらの研究を通して日韓両国における社会保障制度の共通性と相違性が解明できればと考えています。アクティヴ・シティズンシップに基づくソーシャルワークやアウトリーチワークについて研究をしています。国から地方へ、自治体から民間へ、政府から市民へ、分権化が進められるなか、市民と行政、専門職との関係性はより自律的であることが求められています。ソーシャル・ケアやコミュニティ・プラクティスの文脈における市民の参加と責任、行政や専門職とのパートナーシップによる協働の創出に関心があります。●★●★精神保健医療福祉に関わる国内外の歴史を研究しています。とはいっても、すべてをカバーすることはできません。以前はヨーロッパを対象とすることが多かったのですが、最近は近代日本と旧外地の精神医療の歴史が中心です。ここ数年は、沖縄と台湾で調査をすすめています。一方で、精神医療の歴史に関する移動展示にも力を入れてきました。各地をめぐって、専門家ではない人たちと交流し、精神医療史を語ることを楽しみにしています。理科教育学音楽教育学音楽心理学美術教育学体育科教育学スポーツ国際開発学「音楽は創って学ばなければならない」というのが僕の持論です。創作では学習者が自ら音楽の構造を生み出す必要があり、必然的に音楽の構造や仕組みに関わる理解が促されます。こういった音楽の文法面の理解こそが、音楽の学びにおいて重要であると考えています。残念ながら、自ら音楽を生み出す創作や即興は、研究対象として積極的に扱われてこなかったように思います。それらを支える技能や知識の一端の解明を目指しています。ペルーの学校体育におけるカリキュラム開発に関する研究を主軸に、①体育のカリキュラム論、②体育の授業づくり論、③教科外体育(部活動・運動会など)について考察しています。また、近年では体育やスポーツは、とりわけ開発途上国における教育・健康・平和などにかかわる開発の手段としての機能が注目されるようになってきています。教育学的観点に加え、社会的な側面からみた学校体育開発の意義及び課題を明らかにしていきたいと考えています。●★田川佳代子橋本明久保田貢金碩浩伊藤稔明高橋範行藤原智也久我アレキサンデル092024 AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY教員紹介

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