は、主に韻文の文学作品の読解を学生の皆さんと進めています。近年、和歌・連歌文学の研究においては、古代から近世に及ぶ膨大な和歌・連歌作品のデータベースが整備され、詳細な検索が可能かつ不可欠となりました。県大の国語国文学科では、2023年度から、日本文学Web図書館による文学作品の検索を取り入れています。この授業の演習時には、和歌作品の言葉を検索し、類似表現を読み込みます。近隣競合大学の国文学系学科ではまだ導入していないデータベースの活用により、参加者全員で疑問を共有し、検索結果を見ながら一斉に考えていく、理解度・満足度のより高い授業となっています。また、このように、ネット上で先端的な横断検索を駆使する形に進みつつある研究形態の補完として、県大の図書館の貴重書、地域の古典籍や史跡を実地に調査研究し、守る姿勢をはぐくむ稀書の会の活動も毎年行なっています。本学科教員が企画した公開講座(本学の地域連携センター主催)です。中古文学における衣装について研究をされ、文献から当時の衣装の復元もされている愛知文教大学の畠山大二郎先生と洋裁師であり歴史衣装を実作されているeri先生を講師にお迎えし、畠山先生には平安時代の衣装を、eri先生には中国古代の衣装について、復元した衣装とともに解説していただくとともに、講師のご協力を得て実施した復元衣装の着衣体験もおこないました。5着る・触れる・学ぶ日本古代の衣装 〜書物と復元から〜読書人カレッジ「読書人カレッジ」は「週刊読書人」(株式会社読書人)と公益財団法人日本財団が立ち上げた大学生の読書支援事業です。本学では2022年には小林康夫先生「君自身の読書のために本の読み方―世界を読むための知の実践について」を、2023年には苅部直先生「明治日本のポピュリズム?―福澤諭吉『学問のすゝめ』第十三編を読む」を開催しました。国語国文学科の特色ある授業先端的な横断検索を和歌文学研究でなす 伊藤 伸江先生私の専門は日本の中世文学、和歌及び連歌文学です。学部3・4年生が受講する研究・演習科目で新入生歓迎旅行教員・新入生の親睦を深めるために、毎年四月に日帰り旅行を実施しています。昨年度は学科の教員・新入生・在学生(希望者)とともに、犬山市に現地集合し、犬山城、三光稲荷神社、針綱神社、犬山市文化史料館(城とまちミュージアム+IMASEN犬山からくりミュージアム)、どんでん館、旧磯部家住宅周辺など城下を自由散策してきました。国文学会国語国文学科では、毎年5月〜6月頃に「国文学会」を開催しています。この会では前年度に提出された卒業論文の発表のほか、国語学・国文学・漢文学各分野の著名な研究者を招いて講演会をおこなっています。昨年度は卒業生三名による卒論発表と塩村耕先生(近世文学)による講演を開催しました。
元のページ ../index.html#5