愛知県立大学大学院 国際文化研究科 2025
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bクラスcクラス最近の修士論文 人やモノ・情報が簡単に国境を越えて移動する現代において、世界各地で社会の多文化化・多言語化が進んでおり、日本も例外ではない。本研究グループでは、社会言語学、言語教育学、異文化コミュニケーション、エスニシティ、多文化共生といった立場から、主に日本国内の多文化状況と言語にかかわるさまざまな現代的な課題を取り上げ、調査・分析を進める。 具体的には、地域社会とエスニック集団の動態、多文化共生施策の研究、コミュニティ通訳、情報保障、外国にルーツを持つ人びとへの日本語(学習)支援、などが課題となる。実施内容大学院生や教員の研究報告と討論。大学院生による司会進行、企画運営を重視する。代表:上川通夫08構成員国際文化専攻● 東 弘子[日本語学、社会言語学]● 糸魚川美樹[スペイン語学、社会言語学、医療通訳研究]● 奥野良知[近現代カタルーニャ史・カタルーニャ地域研究]● 小池康弘[ラテンアメリカ政治・外交、キューバ研究、国際協力論]● 佐野直子[ 少数言語(オクシタン語)研究、社会言語学]● 高橋慶治[キナウル語記述研究]● 千葉月香[地域日本語教育、日本語教育学]● 張 文菁[中国語圏の通俗小説、台湾文学、中国近現代文学]● 月田尚美[言語学、形態論、台湾原住民諸語]● 吉田理加[コミュニティ通訳研究、異文化コミュニケーション、言語人類学]構成員日本文化専攻● 上川通夫[日本中世史、ユーラシア世界の中の日本中世]● クラーマー スベン[日本近現代史、地方行政史]● 洲脇武志[漢文学、中国古典学、中国中世の学術]● 内記 理[考古学、東西文化交渉史]● 丸山裕美子[日本古代史、日唐比較文化研究]国際文化専攻● 奥野良知[近現代カタルーニャ史・カタルーニャ地域研究]● 菊池好行[19・20世紀日英交流論、科学技術史]● 久田由佳子 [アメリカ近代史、建国初期~南北戦争前の社会史・家族史・女性史]○文化的仲介者としての役割を担う相談通訳者の言語運用の工夫─非日本語母語話者の相談通訳者へのインタビュー調査から(2023)○外国人児童に対する日本語絵本を用いた語彙指導の開発─日本語指導へのDialogic Readingを用いた読み聞かせの導入マニュアル(2023)○オーストラリアのコミュニティ通訳制度の背景─トランスレーションポリシー(TP)に着目して(2023)○ウルグアイの“Comunidad Japonesa”にみる「日系社会」の一形態(2022)○ソフトウェア開発業における異文化摩擦:中国人エンジニアと日本人の対人コミュニケーションを中心に(2021)○ロシア語のSNSにおける新借用語の使用(2021)○異文化間教育の視点から見たホームステイプログラムのあり方:寮生活を送る留学生の週末滞在に着目して(2018) 歴史学には本質的にグローバルとローカルの視点がある。世界史的な比較、接触地域間の連関確認、日常生活における普遍性の発見、などである。そのことを考えなくても考証論文は書ける。とはいえ、史料に付着する主観、先行研究の認識枠組み、研究主体の世界観などから自由になるには努力がいる。そこで、「すべての歴史的認識は現代史的認識である」という鉄則にあらためて向き合い、研究潮流の由来と問題を掘り下げ、歴史学の行方を考えたい。実証研究を大事にしつつ、歴史修正主義、新自由主義史観、認識論的展開、コロナ時代の歴史学、アカデミズムとジェンダー、といった問題を意識したい。AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY 代表:東弘子研究グループ大学院合同ゼミと研究グループ多文化社会と言語歴史学の潮流

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