愛知県立大学大学院 人間発達学研究科 2025
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■小学校における自己肯定感を育む実践に関する研究―関係性と学びに関わって―■「食」教育への提言―コメから学ぶ人と社会・経済・文化―■ヤングケアラーへの支援の現状と課題に関する研究―スクールソーシャルワーカーへのヒアリング調査を通して―■東日本大震災広域避難者の「避難」における意思決定課題と支援効果―愛知県を事例として―■教育としての運動部活動指導に関する研究―「自治能力の形成」と「競技力の向上」の両立を目指す運動部活動に着目して―■福祉サービス事業所における知的障害者の意思決定支援に関する研究■学校ソーシャルワークにおける多職種の協働に関する研究―文部科学省「スクールソーシャルワーカー活用事業実践活動事例集」の分析より―■園長のリーダーシップの研究―「校長の専門職基準」との比較を試みて―■カリフォルニア州における言語教育に関する検討―California EalryLiteracy Learningの読みの指導に焦点を合わせて―■発達障害者支援についての批判的考察―支援の不確実性に着目して―■若手保健体育教員の悩みとその支援に関する研究―新規採用から6年以下の中学校保健体育教員に着目して―■清代中国の刑律に見る瘋病のある人(精神障害者)の処遇史研究■日本の障がい福祉政策と障がいを抱える人々の支援―愛知県医療療育総合センターを事例に―この講義では教育に関わる様々な事象・課題を心理学の視点から捉え、討論を通じて分析の力を養います。受講生は教育や保育・福祉の現場にかかわる方も多いので、前期は臨床発達の現場に関連した心理学の理論や応用について、後期は教育に関連した特定のトピックについて検討していきます昨年度は近年話題になっている保育士による園児への虐待に関連して、問われるようになった「保育の質」という言説について詳細に検討を行ったグニラ・ダールベリらの"Beyond Quality in Early Childhood Education and Care"の日本語訳を読み、質を評価するということについての議論を深めました。長年、小学校の教師として教育に関わる仕事に務めてきた中で、人間の発達についての学び直しを求めて受講しました。多様な子ども一人一人を正しく理解するためには、その子どもがどのように成長してきたか、その子どもを取り巻く環境、家族、対人関係や社会的背景はどうなっているのか、など多くの情報を読み解く知見が必要でした。この特講では、子どもの理解に必要な「人間発達への深い洞察の基本」について、教育心理学の視点で学びました。発達心理学や臨床発達心理学関連の書籍を選択し、各自の関心に引き寄せて整理し考察します。特に、臨床現場における発達支援のアプローチについて、多職種な参加者との議論は、様々な現場での専門的・実践的な支援について、互いの各分野での諸問題を異なった視座から考察することができ、学際的な探究にもつながりました。多様化拡大化している現在の教育的問題に対して、発達の理論と教育心理学の思考を取り混ぜながら分析・理解していくという学びを、教育現場での実践に役立てたいと考えています。〈担当教員三山岳〉(受講者加藤敦美)■日本における私費留学生の実態― ベトナム人、ネパール人留学生の事例から―■保育者と子どもの関係における保育者のあり方に関する研究―アタッチメント理論に着目して―■保育者を目指す学生の音楽技能に関する実験的研究―メロディーとハーモニーの協和感覚に焦点を当てて―■全日制高等学校教員における教育相談の校務分掌の位置づけに関する研究―発達理解の必要性と生徒指導提要との関連から―■小学校の通常学級におけるインクルーシブな学級づくりの実践方法―子どもどうしのつながりに着目して―■生活科における気付きのプロセスと指導者の関わり―もりの学舎との連携による実践から―■高齢者教育論―名古屋市高年大学鯱城学園における教育と学習を通して―■小学校知的障害特別支援学級の“主体的な活動”を基盤とした授業づくりの研究―生活単元学習を中心として― ■校内で教師を支える協働的関係が形成されるプロセス―小学校におけるケース会議の分析から―■1960年代における知的障害者入所施設の増加要因―「精神薄弱者福祉審議会」の文書資料に着目して―■子どもの当事者研究の意義―国連の捉えるインクルーシブ教育の視点から■1965年精神衛生法改正後の初期精神衛生相談員が獲得した役割と使命―愛知県衛生部機関誌『衛生部ノート』の記事分析を通して― ■学校における「子どもの権利学習」に関する研究―「こども基本法」第15条(周知)に着目して― 精神保健福祉というと、かつては精神疾患を有する人たちのものと狭く考えられていました。しかし今は、広く精神障害のある人の社会参加の促進と主体的満足感、および国民全体の心の健康の維持・向上のための政策・支援理念・諸活動の総体をさすようになってきました。この講義では精神保健福祉の現在の諸課題がどのように形成されてきたのかについて、歴史的な変遷とともに理解を深め、今後の政策展望を見出すべく討論を深めます。私はスクールソーシャルワーカーとして、複数の専門職と連携し、子ども達がより主体的に人生を歩んでいける環境づくりに取り組んでいます。子ども達は生活する地域で様々な関わりを通じ、人と環境との相互作用を重ねています。そうした日常の中で、子ども達やそのご家族が生活のし辛さを抱え、精神保健福祉領域の対象として、相談援助職に繋がってくることもあります。講義では、現代社会と精神保健福祉を取り巻く状況を整理し、各人で新聞記事の中から精神保健福祉の課題について考察することを継続しています。また、実践現場での援助対象者が幅広い年齢層であることから、精神保健福祉の処遇に関する歴史的な理解の深まりが、現在の具体的な支援を検討することにもつながるものと感じています。この講義で精神保健福祉領域の歴史的な変遷への理解を深め、より現代社会に即応する対人援助につなげてゆきたいと考えています。〈担当教員宇都宮みのり〉(受講者前泊さとみ)修士論文題目授業紹介教育心理学特講精神保健福祉論特講04GRADUATE SCHOOL OF HUMAN DEVELOPMENT

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