愛知県立大学大学院 人間発達学研究科 2025
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●家族を一つのシステムとして捉える観点に立ち、家族内のコミュニケーションや家族機能と、子どもの心理との関連について研究をしています。特に最近では、心身症の子どもを持つ家族に着目しています。心身症の子どもに対して家族がいかに関わっていくことで子どもの心理的負担が軽減されるのかや、問題を抱えながら家族関係がどのように変化をしていくかに関心があります。こうした家族関係に関する研究知見は、課題を抱えた家族へのカウンセリング、親子・夫婦カウンセリングといった臨床実践へと活かされています。●幼児教育の充実は国際的にも重要な政策課題の一つであり、貧困、移民、障がいなどさまざまニーズを持った子どもたちが共に生活し、学び合う教育・保育実践が求められています。幼児期の教育方法やカリキュラムを、子どもとともにつくるプロジェクト的教育・保育実践や「個別化と共同化」の問題に着目して研究しています。また、ドイツの幼児教育学や教授学から示唆を得ながら、幼小接続期の教育・保育のあり方を研究しています。教育学(日本教育史)教育方法学授業論カリキュラム論教育評価論教育方法学幼児教育カリキュラム論●★博士論文では、日露戦争後の地方改良運動期における小学校と地域社会の関係を取り上げました。その後は、明治期における伝統的地場産業と実業教育機関の関係について研究しています。窯業、染織、漆工、醸造などにおける後継者養成を目的に設立された、全国各地の実業教育機関が、地元業界関係者に自身の存在意義を示すために行った取り組みを調べるとともに、それが成功して現在に至るまで存続している学校と、認められずに短期間で廃止された学校との相違点について、考察を進めています。●★子どもの考えを生かした授業やカリキュラムの在り方を研究しています。子どもは時に大人から見れば誤ったルールの下で物事を解釈し、納得したり、行動したりします。教師としてどんな風にこの子の教室での生活や学びを支援していけるでしょうか。間違いや問題行動の背景には子どもなりのルールがあります。私たちはそれを理解せずに、問題のある子と捉えてしまいがちです。学校教育において、そのような子どもを理解し、彼女・彼らの生活や学びを編み直す方策について研究しています。国語科教育児童文学発達心理学臨床心理学私は、昔話がどのようなメディアに取り上げられ、時代の流れと共にどのような変化があったのか、またその背景にある社会や文化の影響について主に研究しています。特に東アジアの昔話は、その足跡を辿っていくことで、国や地域の関わり合いを照らし出すことに繋がり、内容の変化から時代相を見出すことができます。主に絵本や国語科教科書に焦点を当て、読み継がれてきた昔話の特性と魅力について明らかにするため研究を進めています。●★この大学のゼミで乳幼児期の発達とその不思議に魅せられ、20年が経過しようとしています。研究テーマは「乳幼児期の自他の心の理解の発達」で、大学時代から変わっていません。2 〜3歳児のコミュニケーションの変容過程を検討する発達研究を続けつつ、「私」と「あなた」を含む集団(「みんな」)意識が形成されていく発達過程を実践に学びながら検討しています。発達研究と保育実践を繋ぐ研究の方向性を目指しています。内田純一大貫守渡邉眞依子黒川麻実瀬野由衣森川夏乃072025 AICHI PREFECTURAL UNIVERSITY教員紹介

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