平均5人以下ということになる。県大外語の授業は、大教室の講義もあるが、少人数の演習が充実しており、だからこそ卒業論文執筆を指導することができる。 県大外語の第三の伝統は、競争を基本とする教員公募である。県大外語の教員採用は愛知県から自立して行われており、国内外の様々な地域・大学から応募者を集め、その分野での実績の比較検討によって採用することに努めてきた。県大外語は、長久手から世界に学問を発信し、もって東海地方の文化を一層高める存在であり、時流に翻弄され、地域への対応に追われるのみではない。個々の教員が研究者として自由闊達で、好奇心に満ちていなければ、学生が好奇心を掻き立てられることもない。 最後に県大外語を取り巻く歴史と自然の豊かさを挙げたい。東尾張・西三河は景行天皇ゆかりの地域であり、長久手には景行天皇社、石作神社(景行天皇の母の石棺製作者が祭神)があり、猿投山には大碓命(景行天皇の子・日本武尊の兄)の墓がある。また長久手は、天正12年(1584年)に羽柴(のちの豊臣)秀吉と徳川家康とが対決した小牧・長久手の戦いの古戦場としても知られ、勝入塚・武蔵塚・庄九郎塚(池田恒興・森長可・池田元助討死の地)、床几石(家康本陣の地)などの旧蹟がある。このため長久手市は、ナポレオン最後の決戦が行われた地であるワーテルロー市(ベルギー)と、平成4年(1992年)から姉妹都市協定を結んでいる。更に毎年 10月上旬に長久手やその周辺で行われる献馬儀礼「警固祭」では、棒の手、火縄銃が披露される。県大長久手キャンパスは小高い山の上にあり、周囲の田園風景を見下ろすことができる。このような環境で学生時代を送ることが、若い時代の貴重な体験になることは間違いない。長久手のミュトス愛知県立大学外国語学部の沿革と伝統6気球に乗って俯瞰した愛知県立大学長久手キャンパス(2006年11月4日・創立 60周年県大祭)
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