愛知県立大学 学報 2019 vol.4
6/12

 2018年、フランス語圏専攻 尾関萌衣と名古屋学芸大学デザイン学科の尾関真彩が、「SETO MON ツナグプロジェクト」という企画を始動させました。 カナダのケベック州モントリオールで愛知県瀬戸市を紹介し、街の魅力を海外に発信します。そして、現地の人との交流を通して評価を持ち帰り、街に自信を取り戻すのが目的です。 実は日進市民の姉妹ですが、フランス語とデザインの知識を生かし、好きな瀬戸市のために何かできないかと考え、実行に移しました。 昨年の春、街を巡って市の魅力と問題点の分析、市役所や陶磁器作家をはじめとする住人への企画説明・協力申請から始まりました。しかし、学生の資金で2回の海外展示は難しいと判断し、クラウドファンディングを10月から始動。企画をインターネットで紹介し、共感や期待を元に支援者を募りました。途中11月に第1回展示をケベック大学モントリオール校(UQÀM)で開催し、帰国後12月に75万円の目標資金額を達成しました。翌年3月は第2回展示をUQÀMで行い、2日間で230名が訪れ、フランス語で書かれたパネルを見て、来場者は初めて知る日本の「SETO」に大きな興味を持った様子でした。直筆のメッセージやアンケート、日本語授業でのワークショップの様子を持ち帰り、5月に瀬戸市のゲストハウスで報告会を実施し、関係者や瀬戸市民、支援者にカナダから届いた街への評価を伝えました。 今後は市内を中心に巡回展示を行い、市民に「瀬戸ってすごい」と再発見してもらいます。このプロジェクトは営利目的ではなく、瀬戸らしい街づくりや魅力発信のきっかけになればと思っています。 瀬戸市はいい意味で混ぜこぜで、人も物も、個性を失うことなく街に息づいています。魅力を知らせたくて、学生なりにできることを考えた結果が、このプロジェクトです。現在は姉妹だけでなく、周囲から多くの理解と協力を得て成り立っています。期待を背負いつつ、楽しんで活動を続けていきます。瀬戸市の魅力をカナダで発信まちの展示で世界とツナグ 外国語学部ヨーロッパ学科フランス語圏専攻 2019年卒業 尾関萌衣|MEMO|姉妹が互いの知識と技術を用いて、地域の魅力を世界に発信する行動力は賞賛に値します。多くの方の理解と協力を得られるということは、それだけ瀬戸市は魅力的であると多くの方が思っている証拠であると思います。楽しんで活動を続け、瀬戸市の魅力を発信するリーダー的役割を尾関さんが担うことを期待しつつ、これからも応援します。|顔の見える異文化交流|4

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る