愛知県立大学 学報 2021 vol.8
3/12

コロナ禍の学生自主研究* ―障害のある人にとっての防災を考える―コミュニケーション支援アプリの開発 本アプリはスマートフォンやタブレットで使用するコミュニケーション支援のためのアプリであり、愛知県福祉局障害福祉課の依頼に基づいて情報科学研究科の学生と教員が開発しました。会話によるコミュニケーションが困難で支援が必要な方が、文字やイラストを指し示すことにより、円滑に意思疎通を図ることを可能にするアプリです。アプリ開発に積極的な学生の協力のもと、昨年度末にAndroid版とiOS版をリリースすることができました。今後は本学の各学部に協力をお願いし、福祉や看護の面からの改良やアプリの多言語化を計画しています。* この研究は、「令和2年度日進市 提案型大学連携協働事業」の 助成を受けて実施しました。学生・教員の活動12 社会福祉学科3年の宇都宮ゼミの学生5人は、日進市内の障害者通所施設を利用中の身体・知的・精神障害のある人を対象に災害時避難の不安や要望等のアンケート調査を実施しました。その結果、知らない人が集まる避難所生活への不安から自宅に留まると答える人が多く、自宅避難では食料、薬、福祉サービスからの孤立を心配する声が聞かれました。また、市が提供する防災情報は周知されておらず、情報を届ける有効な手段は紙媒体のパンフレットであることもわかりました。そのため障害のある人に役立つ防災パンフレットを作成し、3,200部を配布しました。研究活動は、新型コロナウイルス感染症の感染予防のためオンライン中心でしたが、障害のある人の切実な声を聞き、今の自分たちにできることを考える貴重な機会となりました。写真左から、情報科学研究科博士前期課程 冨久剛志さん、粕谷英人講師、情報科学研究科博士前期課程 小久保律樹さんアプリのダウンロード・使い方紹介についてはこちらhttps://www.pref.aichi.jp/soshiki/shogai/communication-support-app.html(愛知県公式ウェブサイトにリンクします)

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る