愛知県立大学 学報 2022 vol.10
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学生・教員の活動時代のニーズにこたえる新保健師養成コースの開始 看護学部では、シミュレーション教育の環境整備を進めています。問診や脈診、心電図シミュレーションが行えるフィジカルアセスメントモデル「Physiko■」を導入し、新型コロナウイルス感染症の影響で臨地実習に行けなくなった学生への学内実習を実施しました。2022年度には、多職種連携シミュレータ 看護学研究科では、2021年度より、複雑多様化する地域の保健ニーズに対応できるリーダーを育成するための保健師養成コースとして、「公衆衛生看護高度実践コース」を開設しています。 開設初年度である2021年度は、4名の学生を迎え、国の保健師助産師看護師学校養成所指定規則に定められた科目に加え、「応用疫学」「継続事例支援実習」などの高度な看護実践力を養う科目を組み込んだカリキュラムをスタートさせました。保健師は、保健指導によって人々の病気の予防や健康維持に携わる医療専門職です。本学では、新興感染症流行を含む健康危機管理や、虐待・孤立など複雑な問題を抱える家庭への対応に関する学修を強化し、高度な実践力を備えた保健師を育成します。写真(下) Physiko■を用いた演習風景。中央の教員は事例の心臓の状態を設定しています。もう一人の教員(右側)は共聴用聴診器を用いて学生(左側)が心音を聴診できているか確認し、頸動脈の触診と共に心臓の状態を学生に説明しています。写真(上) SCENARIO■を用いた演習風景。教員(右側)が、想定した事例の心臓の状態(心音、脈拍数など)を、タブレットを介して随時変化させ、学生(左側)が変化に応じて適切にフィジカルアセスメントができるかを確認しています。「SCENARIO■」を活用した演習をスタートし、さらに臨機応変な対応力を備えた看護人材の育成に取り組みます。また、プロジェクションマッピングシステムを演習室に導入し、病院や在宅の環境を再現した映像空間で、臨地実習の準備性を高める演習を取り入れることも検討しています。5看護学部はシミュレーション教育環境の整備を進めています

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