研究成果紹介10 韓国外国語大学元総長の朴哲先生(韓国のスペイン文学紹介の第一人者)がスペイン語で著した著名な一冊を、外国語学部スペイン語・ポルトガル語圏専攻の谷口教授が日本語訳しました。秀吉の朝鮮出兵について、日本にいたイエズス会宣教師の記録です。海外から見た日本史がよく分かります。 『医談抄』は鎌倉時代の宮廷医師が鍼灸薬の順に記した医事随筆で、漢籍を含む伝統的な医書と日本の古典の知識がないと読み解けない難解な書物です。本書は、日本文化学部国語国文学科中根教授をはじめとした研究者たちが30年近く議論して最終的な意味(訳)を決し、注釈書にまとめました。 原作をもとにした映画の翻案(アダプテーション)に関する研究論文集です。外国語学部英米学科梶原教授の担当章では、コーマック・マッカーシ一原作、コーエン兄弟監督の映画『ノーカントリー』を、小説というメディアと映像というメディアの相違から論じています。 英語以外の言語で書かれた重要な民族音楽学の研究を英語で紹介する査読付きオープンアクセスの翻訳シリーズ『Ethnomusicology Translations』。2019年に発行された第9号では、京都市立芸術大学(刊行当時)の藤田隆則氏の論文「古典音楽伝承の共同体一能における保存命令と変化の創出」を、外国語学部国語関係学科のエドガー・ライト・ポープ教授が英訳した論文が掲載されています。 1994年から1995年にかけて出版された村上春樹の長編小説です。東京の住宅街で妻と二人で平凡な生活を送る主人公が飼い猫の失踪を機に様々な体験をし、奇妙な人たちと出会うこととなります。現代社会に潜む悪や戦争の残虐性などがテーマとなるこの作品を、教養教育センターのエウニセ・スエナガ准教授がポルトガル語に翻訳し、ブラジルで出版しました。外国語学部ヨーロッパ学科スペイン語・ポルトガル語圏専攻 谷口智子教授『グレゴリオ・デ・セスペデスースペイン人宣教師がみた文禄・慶長の役』著者 朴哲、翻訳 谷口智子、春風社、2013年6月発行日本文化学部国語国文学科 中根千絵教授『医談抄』編著 中根千絵 日本文化学部教授 ほか、三弥井書店、2023年3月発行外国語学部英米学科 梶原克教教授『アダプテーションとは何か』著者 梶原克教 ほか、編集武田悠一 ほか、世繊書房、2017年3月発行外国語学部国際関係学科 エドガー・W・ポープ教授Fujita, Takanori. ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ō■ Translated by Edgar W. Pope. Ethnomusicology Translations, no. 9. Bloomington, IN: Society for Ethnomusicology, 2019.The Society for Ethnomusicology(民族音楽学会)、2019年12月発行教養教育センター エウニセ・スエナガ准教授『Crônica do pássaro de corda』(日本語タイトル『ねじまき鳥クロニクル』)著者 村上春樹 翻訳 エウニセ・スエナガ、Companhia das Letras出版、2017年発行スペイン語→日本語の翻訳古語→現代語の翻訳翻案(アダプテーション)の研究論文集論文を日本語→英語へ翻訳日本語→ポルトガル語へ翻訳究紹─ テーマ:翻訳 ─研果成介
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