学生・教員の活躍6 このアプリは、2021年3月、愛知県福祉局障害福祉課の依頼に基づき情報科学部および大学院情報科学研究科の学生と教員が開発したコミュニケーション支援ボードアプリです。「避難所」や「病院」、「コンビニ・スーパー」など場面を想定した会話例がイラストを中心に表現されています。それらを選択したり指差しで示したりすることで、会話によるコミュニケーションが困難で支援が必要な方々の円滑な意思疎通を支援しています。 このたび、医療・福祉といった利用現場のニーズをさらに反映させるため、対応言語を拡大しました。英語・中国語(簡・繁)・ポルトガル語の3か国語、4種類の表示に切り替えが可能です。▲ペルーの体育教師対象の研修会での講演の様子 2023年4月より愛知県立大学、教育福祉学部に着任いたしました 久我(くが)アレキサンデルといいます。専門は体育科教育学で、ペルーの学校体育カリキュラム開発に関する研究を主軸に、国内外の体育・スポーツ教育について研究をしています。近年、特に開発途上国においては、体育やスポーツが教育・健康・平和などにかかわる開発の手段として注目されるようになってきています。また、多国籍化が進む昨今の社会情勢において、体育やスポーツが言語の壁を越えるコミュニケーション・ツールとして機能している状況が窺えます。教育学的観点に加え、社会的な側面からみた学校体育開発の意義及び課題を意識して研究を進めていきたいと考えています。▲支援が必要な本人だけではなく、現場応対者が使うことを想定した項目もあります。 多言語化に当たっては、アプリ開発を担当した情報科学部・情報科学研究科の学生・院生チームに加え、外国語学部の学生たちが翻訳に参加しました。 今後は、選択項目の充実化や外国語表示機能を拡充し、より使い勝手のいいアプリへとアップデートしていく予定です。▲イラストを指差したり選択したりすることで意思の疎通を支援します。久我 アレキサンデル 講師1989年南米・ペルー生まれ。大学までは陸上競技に専念し、卒業後、愛知県立大学大学院人間発達学研究科にて研究活動をスタートさせた。教員Pick up!体育やスポーツが言語の壁を超える─教育福祉学部 久我アレキサンデル 講師コミュニケーション支援ボードアプリの対応言語拡大英語・中国語・ポルトガル語の3か国語に対応
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