愛知県立大学 学報 2024 vol.14
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■ 苦労したこと 実際の保健指導の場で起こりうる会話場面をシミュレートすることです。「ただ会話ができる」だけでは意味がないので…。看護学研究科の学生のロールプレイを観察し、サンプルデータを集め、分析を行いました。■ 今後の研究について このシミュレータは引き続きブラッシュアップしていきたいと思います。授業の中で使ってもらえる精度にまでなれば嬉しいです。4年目となる今年も引き続き連携していきたいです。特色ある取組み 情報、看護の学生約10名と、指導教員横山加奈先生で構成されたプロジェクトチームが、いつでも手軽かつ効果的に保健指導のロールプレイを行うことができるシステムの開発に挑みました。開発にあたり中心となった坪倉さんにお話を伺いました。(坪倉さん)■ 作ろうと思ったきっかけは? 私は情報分野の学生ですが、本学の強みである“学際的”な視点を取り入れた情報システムの研究開発がしたいと思い、看護学部の横山先生にお声がけしたのがはじまりです。 学生自主企画研究制度を活用し、2021年から看護と情報の連携をスタートしました。 今回で3年目ということで、お互いの強みや良さがわかってきたこともあり、昨年度より高度な情報システムの開発を目指しました。 横山先生や看護の学生とディスカッションする中で、保健指導の訓練が難しいという声がありましたので、今回はシミュレータの開発に着手しました。(指導教員 看護学部 横山加奈先生)■ システムを使った感想 保健指導は技術ですから、上達には訓練が必要です。このシステムは画面に対象者が画像で表示され、こちらの会話に合わせてしゃべりますので、気軽でありながらも臨場感があり、訓練には最適だと感じました。坪倉さんたちとのコラボは、看護だけでは到達できない場所にたどり着ける楽しさがあります。▲学生自主企画研究発表後の写真 写真中央が坪倉さん▲開発したシミュレータを実際に使用している様子5情報科学研究科の坪倉和哉さんらが、看護教育のための保健指導シミュレータを開発─AIを活用した保健指導の訓練のためのシミュレータとなる対話システムを構築しました─※学生自主企画研究とは 学生が自主的に企画した研究プロジェクトを公募し、審査を経て採択されたものに対して研究資金を助成する制度です。2023年度で17年目を迎え、6件が採択されました。『領域横断(情報×看護)』『領域横断(情報×看護)』

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