愛知県立大学 学報 2025 vol.16
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特集 「地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化事業」は文部科学省が2024年度から大学を対象に始めた 5 年間の補助事業です。大学と教育委員会が連携・協働し、大学入学前から教員採用に至るまでの一貫した取組を促進して、地域や現場ニーズに対応した質の高い教師を継続的・安定的に養成し確保することをねらいとして創設されました。初年度の2024年度には単独事業に全国から39件の応募があり、本学は公立大学として唯一の採択となりました。 この事業では、高校生を対象としたセミナー等の高大接続プログラム、入試における「地域教員希望枠」の導入・拡充、外国とつながる子ども、離島・へき地、特別支援教育、不登校等の地域の教育課題や特定分野に強み・専門性を有する教師等の育成に対応するコース・カリキュラムの構築、教員採用試験における特別選考の構想などが求められています。 愛知県立大学の取り組みは「多文化社会の課題解決に向けた協働的力量の形成〜ポートフォリオを軸とした「あいち地域共創教員プログラム」〜」というものです(図 1 )。愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、さらには本学と協定を結んでいる各市教育委員会と連携・協働しながら、多文化共生に向けて自ら学び考え、地域と共創する教員の育成を目指します。 ここでの「多文化」には「外国につながる文化」に加えて、「愛知・名古屋に根差した地域文化」「個々人の特性から生み出される文化」なども含まれています。一人ひとりの差異を文化的な背景に起因するものとして捉え、子どもを含むすべての人が、それぞれの価値観や課題を理解し、互いを尊重し合いながら学び合える社会の構築を目指すことは、あいちの様々な教育課題の解決に資するものであると考えます。2025年 5 月 7 日(水)には川畑学長、川原愛知県教育長、坪田名古屋市教育長による事業に関する合同発表会を行い、中日新聞や読売新聞で報道されました。▲ 図 1▲ 左から川原愛知県教育長、川畑学長、坪田名古屋市教育長▲ 合同発表会文部科学省「地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化事業」多文化共生社会の課題解決に向けた協働的力量の形成〜ポートフォリオを軸とした「あいち地域共創教員プログラム」〜1本格始動!

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