秋田県立大学広報誌 イスナ Vol.21
6/8

理事の顔ぶれ理事長/学長小林 淳一 こばやし じゅんいち副理事長(企画・広報担当)髙橋 誠記 たかはし せいき理事(教育担当)/副学長吉澤 結子 よしざわ ゆうこ理事(研究・地域貢献担当)鎌田 悟 かまた さとる理事(総務担当兼財務担当)佐々木 誠 ささき まこと1)学長に就任されてから半年。現在の気持ちをお聞かせください。 学長に就任後、多くの校長先生と意見交換をしましたが、本学への期待、また本学を目指す高校生がたくさんいることが分かりました。「本学に入学して良かった」と実感できる環境をさらに整備していきたいという思いを強くしています。2)来年4月からは、システム科学技術学部の学科再編を含む教育プログラムの改革が実施されます。今回の改革にはどのような狙いがあるのでしょうか。 日本の「ものづくり産業」では、単一商品を大量に作って利益を上げることから、多様な顧客ニーズをくみ取り、付加価値の高いサービスを提供するビジネスに変わってきています。また、農業分野においては、儲かる新しい農業ビジネスが求められています。これらのビジネスに対応するためには、変化に気づき、それに対応できる能力が不可欠です。本学では3年前から、このような変化に対応できる学生を育成するための教育プログラム改革について全学で検討してきました。その象徴がシステム科学技術学部の学科再編で、来年度より行うものです。具体的には、多品種少量生産のキーとなる多機能ロボットを開発できる技術者を育成する知能メカトロニクス学科、これからますます世界規模で重要となる社会基盤を設計できる技術者を育成する機械工学科、多様な情報、ビッグデータから新しい価値のビジネスを生み出す能力を育成する情報工学科の3学科を新たに開設します。その他、今回改組はしませんが、既存の建築環境システム学科と経営システム工学科でも、前述の方針に沿って検討してきた教育プログラム改革を同時に実施します。 また、生物資源科学部においては、生命科学をベースにしながら、生物生産、食品加工現場での対応力や農業分野での新しいビジネスを生み出す能力をさらに強化するために、新たな教育プログラムを実施します。3)本学は「秋田県の持続的発展に貢献」することを基本理念に掲げていますが、大学として地域貢献への取り組みをどのようにお考えですか? 大学は、世界レベルで通用する教育研究力を持たなければなりません。このことについては、これからも変わらず、本学のレベルを上げる努力を続けますが、これによってより効果的な地域貢献ができると考えています。 秋田県は、人口減少問題が最も大きな課題です。産業、農業分野の方々と話をすると、産業の活性化や新しい農業ビジネスの出現、担い手不足の解消を訴えていて、本学への期待がとても大きい事が分かります。もちろん本学はこれらの課題に対して、教育、研究面から全面的に支援していきます。教育においては、将来秋田で活躍する人材を育てるために、1・2年生から「あきた地域学」を学ぶと共に、地元の有力企業とコンタクトし、ジョブシャドウイング(職場観察型の一日インターンシップ)や共同研究を通じて、その企業の魅力を理解し将来就職したい企業の中に入れられるように学生を指導します。また、研究においては、県の重点技術課題に対して、研究テーマを先取りし、本学の中で学長プロジェクトとして推進することで、県内に貢献できるシーズ技術に仕上げます。さらに、大学でしかできない、異分野の方々が交流できる場を是非大学の中に作りたいと考えています。4)最後に、地域の方々や高校生の皆さんへのメッセージをお願いします。 本学は、創設から19年目を迎え、世界で通用する大学に育ってきています。卒業生は様々な分野で活躍し、企業からは驚くほどの高評価をいただいています。これからも「学生が伸びる大学」として、教育研究に力を入れていきます。高校生の皆さんは、是非本学でチャレンジして、未来を切り開いて欲しいと願っています。理事長・学長 小林 淳一 こばやし じゅんいち1948年長野県生まれ。1976年東北大学大学院工学研究科博士学位取得。株式会社日立製作所で主管研究員、ソリューションセンタ長等を歴任し、2007年システム科学技術学部教授に就任。機械知能システム学科長、理事兼副学長を経て、2017年4月より現職。INTERVIEW4月1日より、第4代秋田県立大学長に小林 淳一 前・副学長が就任しました。新体制となって半年。小林新学長に今の思いをインタビューしました。新学長インタビュー05

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る