秋田県立大学広報誌 イスナ Vol.21
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瞬間風速 これまで縁のなかった秋田県に単身で来て半年が経ちました。学内の皆さんのサポートのおかげでとくに困ることなく新生活をスタートできました。担当講義も増え、学生の配属もあり、徐々に大学での生活に慣れてきたところです。 これまで東京にある鉄道の研究所で、鉄道会社や車両メーカーの方々との仕事に携わってきました。油と鉄粉錆だらけの車両の下にもぐって作業をし、試験車両に乗って徹夜で測定を行うといった業務が多く、たくさんの人たちとの共同作業が日常でした。現場ごとに異なる様々なルールを守ることが最優先で、良いデータを得るため、そして何より安全のために、意思疎通がとても重要でした。本学着任後は個室に席があり、これまでと勝手が違う部分もありますが、学生たちとよくコミュニケーションを図りながら新しい研究にチャレンジしていきたいと考えています。 晴れるとキャンパスから見える鳥海山の姿に感動しました。そこで夏休みに遊びに来た子どもたちとさっそく登山に挑戦しました。麓から山頂は雲に隠れて見えなかったのですが、登り始めてしばらくすると雲を抜け、蒼天と眼下の雲海の見事なコントラストを堪能することができました。慣れない土地や環境での勉強(仕事)など何か新しいことを始めるときは、先が見えない不安の中でのスタートが多いと思いますが、いつかは青い空が開けると信じてまずは元気に足を踏み出すことが大事かな、などと考えています。 福岡県生まれの私は、大学進学と同時に生まれ育った九州から北海道へ移動した。その後は、中部→関東と移動して、2017年4月から初の東北地方での生活が始まった。秋田県立大学に着任して早半年ほど経ったが、あらためてこの半年間を振り返ってみる。 秋田県の第一印象は、「過ごしやすい県」である。生活環境の満足度を示す基準は、「都会を好む人」や「一人暮らしを好む人」、「自然豊かな環境を好む人」、「海外生活を好む人」など、人それぞれ異なると思うが、私にとって生活していく上で最も重要なことは「その県や土地が、研究を進めるにあたり良い環境であるかそうでないか」という点である。秋田県立大学は大学周辺に研究フィールドが広がっており、全国的に見ても研究環境が非常に整っている大学である。実際に研究環境の充実具合にはとても驚いた。また、普段の生活も駅前まで行けばほとんどの日常生活用品が揃うので何不自由なく暮らすことができる。まだ秋田県に来て半年しか経っていないが、既に「ホーム」の様に感じている。最後に、今後、環境科学分野において世界の最前線を走っている研究者達と競い合えるような最先端の研究を秋田県立大学の学生と一緒に進めていけることを考えると胸がワクワクする。毎号テーマに沿って、大学に携わる人の“瞬間”をお届けするコラム。今回は、今年度新たに本学に着任された先生に、秋田での新生活について伺いました。システム科学技術学部機械知能システム学科富岡 隆弘 教授生物資源科学部生物環境科学科堀江 好文 助教06

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