秋田県立大学広報誌 イスナ Vol.25
7/8

瞬間風速私が秋田県立大学(秋田キャンパス)に初めて足を踏み入れたのは、平成11年3月1日(開学の1月前)でした。当時は、大学から施設管理を委託された会社の社員として、まだ外構工事が完了していない泥だらけの秋田キャンパスで働いていました。それ以前は、秋田市内のとある商業ビルの電気主任技術者をしていましたが、その施設は電気料金を節約するため、10台の発電機と東北電力からの売電を併用して使用していましたので、ちょっとしたトラブルで逆送電になる可能性があり、毎日ヒヤヒヤしていたことを思い出します。それに比べたら「大学」は楽勝でしょう?と高をくくっていましたが、どんな建物にも初期トラブルはあるもので、雷雨の中電柱に登ったり、誤作動した緊急シャワーのおかげで水浸しになった学部棟を先生方と一緒に排水したりと、貴重な経験をしました。あれからもう20年(平成19年に会社を退職し、プロパー2期生として大学職員となる)が経ちました。大学の建物よりも私自身の老朽化の方が先行しているのではないかと思い、ボケ防止も兼ね、職場の仲間と一緒にバンド活動をしています。リハビリのように練習し、年に一度くらいはお披露目する機会を設けたいものです。今回は、開学時から県立大学と共に歩んでこられた佐々木 豊さんと伊藤 清子さん二人の事務職員にお話を伺いました。週末は職場の仲間と“おやじバンド”純米吟醸酒「究」制作の思い出地元に大学が!平成11年、由利本荘市民は喜びと期待で街中がわき立っていました。私もその中のひとり。洗練された美しい本荘キャンパスを目にした時は、心が躍りました。そして、今年20周年、今度は職員としてこれまでの歴史を実感しています。中でも平成21年の開学10周年に、産学共同開発事業で誕生した純米吟醸酒「究」には特別な思いがあります。「究」は、岩野君夫先生・伊藤俊彦先生と学生が、新政酒造㈱(酵母)・秋田今野商店(麹菌)と共同開発したお酒です。当時、私は地域連携・研究推進センターの担当として直接商品化に携わりました。学生・教職員から商品名を募集して審査をしたり、学生と共に新政酒造作業場でラベル貼り・出荷作業、特許申請・商標登録の手続きを終えてお披露目会にたどりついた時は、安堵感でいっぱいでした。個人的にはラベルの「究」の文字の創作を任され、悩みに悩んだ記憶があります。趣味で続けてきた書道が、大学の成果と結び付く思いがけない機会…本当に嬉しく有り難いことでした。「究プロジェクト」のように、本学の研究成果が学生と地域を結び、様々な取り組みがこれからも広がること、地域を豊かにしていくことを確信して、私も共に進んでいきたいと思います。秋田キャンパス 学生チーム佐々木 豊マネージャー愛用するドラムスティックと工具おやじバンドのライブ風景(職員は向かって左から工藤さん・佐々木さん・野﨑さん)純米吟醸樹「究」本荘キャンパス 総務・企画チーム伊藤 清子マネージャー06

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る