秋田県立大学 生物資源科学部附属 バイオテクノロジーセンター
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受託サービス検定A❶❸❷❹❶❸❷❹❶DNA Size Marker ❷あきたこまち ❸ササニシキ ❹コシヒカリ検定B検定C検定D❶❸❷❹❶❸❷❹コメの品種鑑別の例 私たち人間を含めて生物の設計図はA(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)、G(グアニン)の4つの記号(塩基)からできています。この記号の並びは人間とチンパンジーの間でも非常によく似ていることが知られています。しかし、細かく見ていくとこの記号の並びは人間ごとに異なっています。この人間ごとの違いを見分ける技術はDNA鑑定技術と総称され、犯罪捜査や親子鑑定で用いられています。 バイオテクノロジーセンターでは、学内、学外の研究者が、この記号の並び順(塩基配列)を明らかにすることや、DNA鑑定技術を利用した研究のお手伝いを中心に活動しています。皆さんはこうした技術は、大学や企業で研究する人たちが利用する技術と思っていることでしょう。ここでは、DNA鑑定技術が身近な問題を解決した例を紹介します。 秋田県はお米の産地です。秋田県では「あきたこまち」、「ササニシキ」、「めんこいな」、「でわひかり」、「たつこもち」、「きぬのはだ」など、さまざまな品種が作られており、1軒の農家でも複数の品種を作っています。田んぼでの稲作りは5月の田植えに始まって9月の稲刈りまで長期間にわたって行われます。皆さんは、田んぼをみて植え付けられている品種がわかるでしょうか?植え付けられている品種を見分けることは専門家でも経験が必要です。先に述べたように、農家は複数の品種を自分の所有している田んぼに植え付けるわけですが、収穫のときには品種ごとに刈り取る必要があります。ところがある農家さんは、2つの田んぼのどちらに「あきたこまち」を植え付けたのか、稲刈りするときにわからなくなってしまいました。そこで活躍したのがDNA鑑定技術です。わからなくなった2つの田んぼから1粒ずつお米をとり、そこからDNAを抽出し、DNA鑑定を行いました。検定結果を判別方法に基づいて検索していくと、2つの田んぼに植え付けられた品種がわかりました。実にこの農家さんは、鑑定用にお米をとった日の翌日には、無事稲刈りをすることができました。 バイオテクノロジーの技術はこのように身近な問題を解決できるツールでもあるのです。品種によって検出される遺伝子の大きさや、数が異なるため品種を識別することができます。解析事例・解析内容DNAの違いを利用したコメの品種鑑定受託サービスの具体例5

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