秋田県立大学 研究情報誌 Roots Vol.02
10/16

10がったからといってプロバスケット選手になれるでしょうか。アメリカンドリームの話を熱心に聞くよりも、まずはボールの持ち方やドリブルの方法をしっかり覚えた方がいいですよね。だから、投稿の時差を判断材料として今の自分より少しだけスキルの高いメンターとマッチングし、それを段階的に繰り返すことでユーザーのスキルを伸ばしていけるという仕組みです。ていて、留学で行けることを本当に心待ちにしていたんです。だから留学できないと知った時は、目の前が真っ暗になりました。でもすぐに「この悔しさをバネに自分にしかできない研究に打ち込もう」と気持ちを切り替えました。 世界には僕と同じように、国境を越えた出会いを断念せざるを得なかった人たちがたくさんいるはずだと考えたんです。「渡航が制限されても、どこにいても、国境を超えて世界中の人たちと交流したい。オンライン上にはその可能性が無限大にあり、そのプラットフォームを構築できるチャンスは目の前にある」と気づき、クヨクヨしている場合ではないと前を見ることにしました。世界中の約80億人の人たちと繋がれるプラットフォームを作れる、そう考えたら失意は希望に変わっていったんです。 研究をサポートしてくれる山口高康教授や先輩たちは本当に心強い味方です。いつも的確な質問や意見を投げかけてくれ、時には夜遅くまでの深い議論になることも刺激になっています。アルゴリズムの研究に果てしなさを感じることもあるけれど、研究室のみんなの情熱を目の当たりにすると「僕も負けていられない!」という気持ちになります。山口教授のゼミに入ったのは、山口教授が講義の中で「世界一になる!」と明言される姿に感銘を受けたから。大勢の前で自分の想いを自信を持ってハッキリと伝えられる姿に、自分が目指す人間像がここにある、そう感じました。その直感を信じて山口ゼミに入ったからピンチはチャンス。粘り強さを教えてくれた県立大の仲間たち 僕がこの研究を始めたのは3年生の春休みからで、新型コロナウイルスの流行で海外渡航が規制され、留学を見送らなければならなくなったことがきっかけです。留学は半年間、イギリスのケンブリッジにて自己鍛錬の期間となるはずでした。小学生の頃にハリーポッターを読んでからずっとイギリスに憧れ「お互いを高め合える出会いがあったら」そう思ったことはありませんか?

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る