秋田県立大学 研究情報誌 Roots Vol.02
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9Tomoaki OhkawaホームページOHKAWA TomoakiPROFILE静岡県沼津市生まれ。3人兄弟の末っ子で目立つのが好き。おまけに負けず嫌い! 野球で言えば、ショートかピッチャータイプです。太陽のように明るい両親に育てられたおかげで「いつでもポジティブ」がウリ。大学時代には、静岡県民の誇り「富士山登頂」を果たし、青森県から時計回りに東北一周も制覇! 秋田に来てからは鳥海山もお気に入り。※コサイン類似度文章を比較する際に用いられる計算方法の一つで、三角関数の普通のコサインの通り、1に近ければ類似しており、0に近ければ似ていないことになる。※投稿の時差メンターを探し出すために、投稿の時間という要因によって、自分よりも先にスキルを会得しているという判断材料としての可能性を探っている。 僕が研究しているのは、自分を成長させてくれるメンター(助言者)と出会える新しい形のプラットフォームです。一般的な“マッチング”のような単なる出会いのプラットフォームではなく「自分を成長させてくれる人との出会い」に焦点を当てています。そしてその中でも、自分のスキルより“少しだけ上”のメンターと出会えるよう、ユーザーとメンターを繋ぐマッチングアルゴリズムを研究しています。 現在もすでに誰かと出会えるプラットフォームは普及していますが「自分を成長させてくれるメンター」との出会いは、滅多にありません。そこでAIのアルゴリズムを駆使して現在の自分に適したメンターを見つけ出し、段階的にマッチングさせるシステムを構築したいと考えています。 ユーザーは一般的なSNSに投稿するように、プラットフォーム上に好きなことを自由に投稿します。すると、AIがその投稿をもとにユーザーの興味関心を分析し、現状に合ったメンターを見つけ出してマッチングするという仕組みです。AIはユーザーの投稿文はもちろん、画像からもユーザーの興味関心を分析することができます。例えばユーザーが空の写真を投稿したとすると「空が好き」「自然が好き」というように、ユーザーの好みを分析するのです。投稿文に関しても同様、ユーザーが投稿した文の言葉一つひとつからユーザーの興味関心を導き出していきます。 そしてコサイン類似度によって投稿文の特徴が比較されて、より近いユーザー同士がマッチングされます。例えば「わたしは犬が欲しい」と投稿したAさんと「わたしの猫はかわいい」と投稿したBさんがいるとします。これらの文章から言葉を繋いでいる助詞を除いて「わたし、犬、猫、欲しい、かわいい」という特徴のある単語を取り出して、それぞれの文章が似ているかを調べます。現段階では2つの文章で共通の単語は1つしかないので、興味関心やスキルの差は大きいとみなされます。この後、Aさんが犬を飼って「わたしの犬はかわいい」と投稿したら、共通の単語が2つに増えるので、ペットを飼うスキルがあるAさんとBさんが「近い存在」であることが示されます。このように、何気ない投稿文ひとつからでも、自分と同じような興味関心やスキルを持つ人と繋がることができるのです。なぜ「近い存在」をマッチングするのかというと、その方が自己の成長に繋がるからです。例えば「バスケットが上手くなりたい」という人がいきなりNBA選手と繋データサイエンスを駆使して自己を高めるマッチングアルゴリズムの研究世界と繋がる、見つけ出す!未来を拓く僕のメンター

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