公立大学法人 秋田県立大学 2023
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1953年 静岡県浜松市出身。1982年 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。東京大学理事・副学長、京都先端科学大学バイオ環境学部バイオサイエンス学科学部長を歴任し、2023年4月より現職。 今、世界は大きな転換期を迎えています。これまで、世界はグローバル化が進み、その結果、人々の生活は豊かになり、多くの病気も克服され、安全で幸せな未来が待っていると、楽天的に考えてきました。しかし、この数年の間に、新型コロナウイルス感染が世界的に広がり、ロシアによるウクライナ侵攻により世界的なエネルギー・食糧危機が生じ、人間活動に伴う二酸化炭素濃度の上昇によって地球温暖化が進むなど、グローバル化に伴う深刻な危機が次々と訪れ、グローバル化の負の側面もまた明らかになったのです。このグローバル化の明と暗が反転するかもしれない転換期において、真に必要なのはローカルとグローバルをしなやかに行き来する“知”であり、その知を身につけ実践する人です。 秋田県立大学は、1999年に創設された新しい大学で、システム科学技術学部・研究科、生物資源科学部・研究科をもち、多数の優れた施設を抱える理系大学です。これまでに「真理探究の精神をもち、広い視野と柔軟な発想のもと、豊かな創造力で、21世紀を切り開いていく人材を育成するとともに、先端的な研究や技術開発を行うことで、秋田県の持続的発展に貢献する」を目標に、グローバルとローカルを共に見据えながら、知の創造と人材育成の実績を積み重ねてきました。その依って立つ秋田県は、自然に恵まれ、広い農地や森林などの資源を有し、電子部品・デバイスなどの未来型産業の発展している地域で、まさにローカルからグローバルへと展開する知の実践の場として優れています。 就任にあたって、私は以下の観点から秋田県立大学を発展させていきたいと考えています。【理事長・学長】福田 裕穂[ふくだ・ひろお]人間力を養う―タフで、優しく、挑戦的に 大学は、知のプロフェッショナルを育成する場ですが、その前提となる人間力を涵養する必要があります。私は、「タフで、優しく、挑戦的に」をキーワードに学生を育成したいと考えます。優しさは、理事長・学長挨拶秋田県立大学とは

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