例えば身近な自動車を取り上げても、もはや純粋な機械システムではなくエレクトロニクス、信号・情報処理、制御等の技術が融合した高度な知能化システムになっています。今後益々、広い技術分野をある程度理解して複雑なシステム全体を俯瞰できる技術者が重要となります。本学科では、エレクトロニクス基礎に始まり、電気工学基礎、そして機械工学基礎を学びます。さらに、これらの基礎知識とプログラミング技術を融合して、実際に動作するロボットシステムの実習を行います。学部では広い既存技術の理解が中心となりますが、これまでに無い新しい技術の開発に魅力を感じる学生は大学院へと進学し各研究室の特定分野における先端研究を通して、より実践的な学修を進める事になります。その際の選択肢の広さが本学科の特徴です。 「建築学」は、多方面の知識・経験・感性などを総動員して「あらゆる分野を統合する工学芸術」である点が際立った特長となっています。ひとつの住宅設計でも、統合すべき対象は、地域・都市としての空間・環境、あるいは地球環境のスケールまで及ぶ場合もあります。優れた建築空間を実現するためには、建築をシステムとして捉え、幅広い視点で総合的に学び、研究しなければなりません。本学科では、木質構造など、地域特性に富んだカリキュラムや、即戦力が求められる社会のニーズに応えるための3次元CAD・BIM教育などに加え、新しい時代に対応した総合的な建築教育と研究開発に取り組んでいます。 生産技術関連分野において、シミュレーション技術や IT、AI との融合技術をはじめ、サイバー空間を活用する生産技術のデジタルトランスフォーメーションが進化しています。機械工学の基礎をなす材料力学、熱力学、流体力学、機械力学を重視し、ものづくりに必要な知識と技術を修得する授業を行います。プロジェクト型授業を導入し、デジタルレボリューションによる物理的な生産の在り方、価値創造などの上流から下流までの生産プロセスの在り方などに関するセンス・実践力をエネルギーシステム、輸送機械、生産システムを対象に養います。システム思考により専門分野を有機的に結合し、地域社会基盤を支える実践的技術者育成を行います。 情報工学科では、コンピュータのソフトウェアの開発手法や、インターネット活用の為の技術はもとより、それらを利用することでどのような価値を世の中に提供できるのか、という事をテーマに日々研究を行っています。皆様の身の回りにある様々なデータ、例えば音声や画像のデータを、テキストデータなどとともに、どのように高付加価値化することが出来るのか、安全で面白いアプリケーションやサービスはどうすれば出来るのか、ということを常に考えています。一見無価値に見えるデータも、それらを蓄積して適切に処理してあげると、意味のある情報になります。見えないものを見たり、聞こえない音を聞いたりすることも可能になります。私達は、いままで経験したことがない、新たなユーザー体験を創出することを目指して日々研究を進めています。 社会の持続的発展につながるイノベーションには、個人や企業と、それを取り巻く自然環境および社会経済環境との間の相互作用についての理解、すなわち鳥瞰的視野からの外部環境の理解が必要不可欠です。本学科は、このような理解の上に立ち、数理的な手法を用いた経営工学を基礎とするイノベーションを目指し、それを実行できる人材の養成を目的とした教育を行います。このような人材は、モノやサービスすなわち有形無形の価値を創造するさまざまな集団における意思決定とその実行において、中心的な役割を担うことが期待されます。6Akita Prefectural University 2024本荘キャンパス システム科学技術学部「システム思考」による幅広い視野を持ち、独創性に富むエンジニアを育てる。■〈5学科〉入学定員240名■学部長:西田 哲也■副学部長:堂坂 浩二知能メカトロニクス学科■入学定員/60名 ■学科長:能勢 敏明建築環境システム学科■入学定員/40名 ■学科長:長谷川 兼一機械工学科■入学定員/60名 ■学科長:鶴田 俊情報工学科■入学定員/40名 ■学科長:西口 正之経営システム工学科■入学定員/40名 ■学科長:木村 寛
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