秋田県立大学 大学案内 2026
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さぁ!さぁ! 燃やしてみよう!! 燃やしてみよう!!確かめてみないと分からないぞ!山火事に遭ったら君は上と下、どっちに逃げる!?斜面に置いた紙がどう燃えるか実験してみよう!思いこみや予想で知った気にならないで検証しよう!こうして集めた研究結果から火や熱を制御する方法が解明されてゆく熱が制御できれば災害を防ぐ手助けにつながってゆくのだ斜面では紙は下方向に燃え拡がった…違う場合はでも条件がどんな結果になるんだ…?形   研究データM E S S A G E試してみないと分からない防災と安全につながる基礎研究 私たちの研究室では、熱科学を基礎とした研究を行っています。 例えば、山火事が起こった時に、火はどの方向に燃え拡がるのか。それが科学的に証明できれば、どこに逃げれば良いのか検討がつきますよね。 一般的に、火は上に行くと考えがちです。 ところが、寺田寅彦氏による「寺田現象」によれば、傾斜角度が35度では、火は上方向ではなく下方向へだけ燃え拡がるとされています。つまり、傾斜角度35度で山火事が起きた場合、助かるために下に逃げても、火災に巻き込まれてしまう可能性が高いということになるのです。 ただ、ここで問題なのは、必ずしも下方向に燃え拡がるとは限らないということです。風向きや燃料となっているもの、その場の状況次第で火が燃え拡がる方向は変わっていきます。 当研究室の学生は、この「火の燃え拡がり」について、ろ紙を使って熱の移動を研究しています。傾斜やろ紙の厚さなど、条件を細かく変えながら、毎日何枚ものろ紙を燃やして検証していくのです。 事実を突き止めるには、一つ一つ検証していくほかありません。果てしない道のりに思えるかもしれませんが、大学生の有意義な時間こそ、何かの手掛かりを得られる可能性を秘めています。 今、知っている事柄や目に見えていることは、すべてが真実とは限りません。高校までは、教科書の内容をみんな一緒に学んできましたよね。でもそれはすべて正しかったのでしょうか。 大学では、「何を習わなかったのか」という点に着目し、これまで習ってきたことを別角度から見て真実を探求していくことができます。 学生たちには常に、「なぜ?」「本当に?」という考えを持ち続け、物事をさまざまな角度から見て、自分たちの手で真実に辿り着く力を身につけて欲しいと願っています。 「真実は、自分の力で突き止めたい!」と考える、探究心旺盛な学生さん。私たちと一緒に、「当たり前」の裏側を見つけにいきましょう!もし山火事に遭遇したら? 熱の移動を徹底解剖火災から身を守る! 常識を覆す熱科学研究室の挑戦鶴田 俊 教授鶴田 俊 教授次次は 爆は 爆発発のの様様子子をを 観 観察察すするるぞぞ……厚さ素材斜面の角度または複数の条件を組み合わせた場合 etc...君たちはどう燃やすか燃え拡がりの解明

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