Akita Prefectural University 2026 生物資源科学研究科 生物資源科学専攻 2年金 俊輔 さん (北海道/札幌藻岩高校出身)KON Shunsuke 現在は、学生自主研究から継続して、根に光を照射する研究をしています。普通、植物の根は暗黒条件下におかれます。そこで、根にはどんな光応答が存在するのかを明らかにすることを目的に研究を行っています。 研究のきっかけは、「学生自主研究制度」でした。私も入学時から、「せっかく大学生になったのだから、1日でも早く研究というものをしてみたい!」と期待に胸を膨らませていました。さまざまな研究室の資料をもらい、特に興味を持ったのが、生態生理研究室でした。学生自主研究から始まった研究は大学院2年生の今、6年目になります。仲間や先生と協力して研究を行った経験や研究室の先輩方とできた繋がりなど、学生自主研究でしか得られなかった経験は、今の私の研究活動にも活きています。生物生産科学科小川 敦史 教授OGAWA Atsushi35 私が普段やっている研究や卒業論文研究などと少し違い、特に私が担当する自主研究は本当に小さな疑問の「種」から始まるものです。そんな「種」から始まったこの自主研究は、卒業論文研究、大学院の修士論文研究と成長していき、さらにはその成果が海外の学術冊子への掲載や特許出願までつながっていきました。この自主研究は、小さな「種」から始まり6年間で実を結んだとっても楽しい研究でした。 スタート時は実験方法も実験装置もない、まっさらな状態でした。装置づくりでは、仮にダンボールを用いました。実際に作成を進めると、次々と疑問が生まれ、試しては失敗することの繰り返しでした。試行錯誤を繰り返すうちに自主研究にのめり込んでいき、根に光を照射すると地上部の代謝に変化を与えることを明らかにできました。 研究室配属後は、ダンボール製ではない栽培装置を特注し、実験の精度を高めました。これまでの研究で根に光を当てると何かしらの変化が起きることが明らかになりましたが、メカニズムまではわかっていません。そこで大学院に進学し、トランスクリプトーム解析で遺伝子レベルでの変化を調べています。 根に光を当てて植物を栽培するシステムが、教授と共同で特許を取得したことは、私にとって非常に大きな財産となりました。併せて、私の卒業論文を教授が英訳して学会に提出し、多くの人に読んでもらうことができました。たくさんの方々に「論文読んだよ」「頑張ったね」など言葉をいただき、夢みたいに嬉しく、誇らしい気持ちになったことを今でも昨日のように覚えています。学生自主研究がくれた未知への扉ダンボールから始まった研究[自主研究時代]見えてきた変化、その先の謎へ[研究室配属後]自主研究時代からの取り組みが 特許取得へ教員からのメッセージ参加した先輩に聞くAction!1Action!2Action!3学生自主研究から特許取得へ
元のページ ../index.html#37