秋田大学 令和3年度高校生のための研究者・研究内容紹介
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所属(学科・コース・講座等)教員名(職名 氏名)研究テーマ研究内容医学科 代謝・内分泌内科学講座准教授 藤田 浩樹講 師 森井 宰助 教 佐藤 雄大糖尿病やその合併症の診断と治療に関する研究生活習慣の欧米化に伴い、糖尿病が増加し、40歳以上では約3人に1人が糖尿病やその予備群です。糖尿病になると、腎臓や眼、心臓などに大きな障害が起きますが、これらの合併症の治療法は十分に確立されておりません。したがって、糖尿病やその合併症の的確な診断法と新規治療法の開発が求められています。当講座では、消化管から分泌されるホルモンのインクレチンに注目し、糖尿病とその合併症の治療への応用に関する研究を進めています。なまはげブルーサークルというロゴを用いた糖尿病撲滅のための啓発活動も秋田県内で行っております。医学科総合診療・検査診断学講座准教授 植木 重治特任准教授 守時 由起准教授 嵯峨 知生アレルギー性炎症の研究現在、国民の2人に1人がなんらかのアレルギーを有しています。アレルギーは免疫細胞の過剰な反応によって起こる炎症であることがわかっていますが、その詳しいメカニズム、新しい検査と治療法を研究しています。医学科総合診療・検査診断学講座准教授 植木 重治特任准教授 守時 由起准教授 嵯峨 知生薬剤耐性菌と感染症に関する研究薬剤耐性菌とは抗生物質が効かなくなった細菌のことです。抗生物質は人類の運命を大きく変えた20世紀最大の発明ですが、薬剤耐性菌が増えてしまうと、薬が効かない時代に逆戻りし、人類は再び感染症で苦しむ時代になることが危惧されています。薬剤耐性菌がどのように増えるかを解明し、耐性菌の増加を食い止めるにはどうしたらよいかを研究しています。医学科総合診療・検査診断学講座准教授 植木 重治特任准教授 守時 由起准教授 嵯峨 知生自己免疫性肝疾患の研究自身の体を自身の免疫細胞が攻撃してしまう病気である自己免疫疾患の中で、肝臓の胆管上皮細胞を攻撃してしまう原発性胆汁性胆管炎という病気があります。疾患の進行を遅らせる治療法はありますが、進行を止める、あるいは治す治療法はなく、Bリンパ球と免疫の関係や新しい治療法の開発について研究をしています。医学科 放射線医学講座教 授 橋本 学講 師 安倍 明助 教 髙木 倫子助 教 和田 優貴3D-IGBTを用いた子宮頸癌に対する根治的放射線治療技術の研究子宮頸癌に対しては根治を目的とした放射線治療を行うことがあります。この際に子宮腔内から放射線照射を行うRALSという技術を用いますが、従来は2次元のレントゲン画像を参考に行われていたRALS治療を3次元のCT画像ベースで計画し、副作用の低減、および、治療成績の向上を目的とした研究を行っています。医学科 放射線医学講座教 授 橋本 学講 師 安倍 明助 教 髙木 倫子助 教 和田 優貴食道癌に対する根治的・緩和的放射線治療に関する研究食道癌に対しては根治や、症状緩和を目的とした放射線治療を行うことがあります。放射線治療の効果に影響する因子についての解析を行い、放射線治療成績を向上させることを目的とした研究を行っています。医学科 放射線医学講座教 授 橋本 学講 師 安倍 明助 教 髙木 倫子助 教 和田 優貴甲状腺癌に対する根治的・緩和的放射線治療に関する研究手術ができない甲状腺癌には分子標的薬という薬物療法がおこなわれますが、癌が気管や血管に浸潤していると分子標的薬は副作用のリスクが高いことがわかっています。手術できない甲状腺癌や、甲状腺癌の転移病変に対する放射線外照射の有用性や安全性について研究しています。医学科 放射線医学講座教 授 橋本 学講 師 安倍 明助 教 髙木 倫子助 教 和田 優貴緩和的放射線治療の有効性、安全性に対する研究癌病変による疼痛や出血に対して放射線治療が有効であることはわかっていますが、中には期待した効果が得られなかったり、思いがけない副作用が起きることがあります。緩和放射線治療の効果や副作用に影響する因子を研究することで、緩和放射線治療の有効性、安全性の向上を目指した研究を行っています。また、同一部位に再度放射線を当てる「再照射」に関する研究も行っています。医学科 放射線医学講座教 授 橋本 学講 師 安倍 明助 教 髙木 倫子助 教 和田 優貴高齢者に対する放射線治療の研究高齢化により、高齢の癌患者が増えています。御高齢の場合、体力の低下や合併症により、手術などの侵襲が高い治療ができない場合があります。放射線治療は比較的侵襲は少ないものの、高齢者の場合は予期せぬ副作用を来すことがあります。高齢者に対する放射線治療の安全性や有効性についての研究を行っています。医学科麻酔・蘇生・疼痛管理学講座教 授 新山 幸俊助 教 山本 夏子吸入麻酔薬による術後認知機能低下の機序と硫化水素の効果と役割有毒ガスとして知られている硫化水素は脳内で微量に産生され、神経伝達調節・保護作用を持ち、ラットアルツハイマーモデルでの病気の進行を抑制し,記憶のシナプスモデルである海馬長期増強(LTP)の誘導を促進することが報告されています。また、高齢ラットでは海馬硫化水素の低下を認め、硫化水素を投与することでLTPの障害を軽減することもわかっています。我々は高齢者における脳内硫化水素の産生・作用機構の異常が,吸入麻酔による全身麻酔後の術後認知機能低下に関与していると仮説を立て,高齢ラットに硫化水素を投与して麻酔・手術を行い、学習・行動試験や電気生理学的実験により術後認知機能障害が抑制されるかどうかを検討しています。-23-

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