秋田大学 令和3年度高校生のための研究者・研究内容紹介
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所属(学科・コース・講座等)教員名(職名 氏名)研究テーマ研究内容医学科 微生物学講座教  授 海老原 敬助  教 高須賀 俊輔助  教 立松 恵遺伝子改変疾患モデルマウスの開発病気が発症する仕組みは多くの動物で保存されています。胚性幹細胞(ES細胞)の遺伝子操作によって、特定の遺伝子機能が異常なマウスを作製しています。がんやアレルギー、炎症性疾患、神経変性疾患、心筋症、代謝異常症などのヒト疾患とよく似た病態を表すマウスを活用して、疾患原因の解明や治療法の探索を行っています。医学科 微生物学講座助 教 高須賀 俊輔成長障害の分子機構細胞内のエネルギーを産生するミトコンドリアの機能障害は、さまざまな臓器・組織での臨床症状の発現につながります。私たちは、生後の発達障害を示すマウスの肝臓ミトコンドリアに、異常な脂質が蓄積していることを発見しました。この脂質の機能と発達障害が起きる仕組みの解明を進めています。医学科 微生物学講座助  教 立松 恵好中球分化制御についての研究好中球は細菌感染に対する防御反応において非常に重要な細胞で、不足すると様々な感染症を引き起こします。好中球減少症に関連する好中球分化障害のメカニズムを解明するための研究を行っています。医学科救急・集中治療医学講座教 授 中永 士師明准教授 奥山 学特任助教 佐藤 佳澄急性血液浄化療法の開発重症患者に対して新しい血液浄化療法を開発し、生存率を向上させる研究を行っています。医学科救急・集中治療医学講座教 授 中永 士師明特任助教 入江 康仁新型コロナウイルス感染に対する漢方治療の研究COVID-19に対する漢方治療の有用性について研究を行っています。医学科救急・集中治療医学講座教 授 中永 士師明院内トリアージ方法の研究救急搬送を円滑に行い、救命率を向上させるためのトリアージ(緊急度判定)の研究を行っています。特に秋田県内の介護施設からの救急搬送を円滑に行うために新しいシステムの構築を行っています。医学科 分子生化学講座教  授 田中 正光准教授 栗山 正助 教 伊藤 剛がんのサポーター達悪性腫瘍(がん)は癌細胞が主役として解析されてきましたが、最近はそれを取り巻く細胞達(間質細胞)が癌細胞を助ける、いえもっと積極的にリードしている様子が分かりつつあります。イケメンで優しかったジェダイもダークサイドに落ちてしまう事があるように、元々は正常組織だった間質細胞が、どういう経緯で癌細胞をサポートするようになるのか?その中には線維芽細胞、マクロファージや脂肪細胞など多種類の間質細胞が含まれます。これら癌のサポーター達の間でどういう連携をとっているのかを調べる事で、後方支援や癌細胞をけしかける事を止めさせる新規治療を目指しています。医学科 分子生化学講座教  授 田中 正光准教授 栗山 正助 教 伊藤 剛ピンチの切り抜け方(がん生物学)癌に対して多くの化学療法(抗癌剤による治療)が現在行われていますが、それらの薬に抵抗して耐性を持つことが、癌治療の大きな問題点です。実際の抗癌剤治療を受けた患者さんの標本を顕微鏡で見ると、元とはだいぶ顔つきが変わった癌細胞が多く見られる事があります。実はこれ、癌細胞が薬による死から逃れようとして変顔になっている現場ではないかと思い調べています。主に細胞分裂のシステムを特別にする事でピンチをやり過ごし、投薬を止めるとまた通常のモードに戻る仕組みなどを研究しています。医学科 分子生化学講座教  授 田中 正光准教授 栗山 正助 教 伊藤 剛吸血鬼は伝搬する(がん生物学)がん細胞は自身の情報を周囲に拡散して、それを受け取った正常な細胞の特性を変えさせ、がんにとって好ましい手下を作る。この手下達を増やすには、癌細胞自身が一から正常細胞を教育してゆくだけでは非効率である。吸血鬼に噛まれると吸血鬼になるように、手下が新規の手下を作り出す連鎖的な機構がある事を調べています。この事はがん特有のサイトカインを産生する細胞を爆増する現象などに繋がり腫瘍の悪性度を促す原因になると考えています。医学科分子病態学・腫瘍病態学講座教  授 大森 泰文助  教 山本 洋平助  教 廣嶋 優子細胞と細胞の会話を聞く実は、細胞と細胞はいろいろな方法でおしゃべりをしています。人間社会と同じです。愛の言葉を囁き合ったり、悪口を言ったり、騙し合ったりもします。優しい言葉をかけられた細胞は素直に育ちますが、いじめられた細胞は非行に走ってしまい、このような細胞が将来「がん」になってしまうのです。細胞と細胞の会話を盗み聞きすることで、「がん」の成り立ちと制御を研究しています。-25-

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