秋田大学 令和3年度高校生のための研究者・研究内容紹介
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■ 理工学部所属(学科・コース・講座等)教員名(職名  氏名)研究テーマ研究内容生命科学科 生命科学コース教 授 涌井 秀樹ヒトと病気について研究し医療に貢献する人体の正常構造と機能、日本人に多い病気の特徴について、最新の動向を理解した上で、健康維持と病気に関するテーマで、広く研究を進めています。病気の研究では、特に血液・腎臓・膠原病を対象とし、新しい診断法の開発と治療薬の作用機序の研究を行っています。また、ヒトの病気の成り立ちを理解する上で、進化生物学の視点も重要であり、ヒトと魚類の解糖系酵素生化学的特性について、比較研究を行っています。生命科学科 生命科学コース教 授 疋田 正喜教 授 久保田 広志講 師 藤田 香里助 教 田村 拓助 教 本田 晴香遺伝子制御による病気の治療法の開発を目指した研究様々な病気から身体を守っている免疫系で働いている細胞群のうち、主にリンパ球の分化や活性化に重要な分子を発見し、その役割を遺伝子工学や細胞工学の手法を用いて動物の個体レベルで明らかにしようとしています。また、がん抑制遺伝子である p53 と老化の関係についても研究しています。さらに、共焦点レーザー顕微鏡などで細胞内のタンパク質を可視化することで、様々な疾患の原因となる異常タンパク質の分解機構を明らかにしたいと考えています。生命科学科 生命科学コース教 授 藤原 憲秀生命現象を制御する有機化合物の創成生命は様々な生体分子間の相互作用により支えられています。相互作用は生体分子と比較的小さい分子量の物質(小分子)との間でも起こります。その相互作用を解析すると、新たな生体分子の機能を発見できる可能性があります。この小分子と生体分子の相互作用による生命現象の制御の様子を詳しく解析するため、生物活性を持つ天然由来の小分子を精密に合成する研究や、人工的な改変を加えた分子を創出する研究を展開しています。生命科学科 生命科学コース准教授 秋葉 宇一ナノバイオ化学操作電極の創生ナノサイエンスとナノテクノロジーは、これからの生命・医療の新たな発展への道を切り拓く可能性を秘めた挑戦的な科学と技術です。本研究では分子ナノテクノロジーを駆使して、ナノバイオ電極上にユニークな分子機能インターフェースを精密に化学構築します。作製したナノバイオ化学操作電極を用いて、生細胞内をin vivoで電気化学操作することができれば、新しい生命化学操作技術の開発につながると期待しています。生命科学科 生命科学コース准教授 近藤 良彦生物機能を模倣する分子の合成とその機能性の解明ある分子が他の分子を認識・識別する性質を「分子認識能」と言います。この分子認識は生体内での様々な有機分子やイオンの識別だけでなく、産業的にも重要な要素となっています。我々は、主に大環状化合物を基本骨格として新規有機分子を合成し、その分子の3次元構造と分子認識能について研究しています。更に、それらの分子の分子間相互作用を明らかにし、分子集合体の構造と性質についても研究しています。生命科学科 生命科学コース教 授 尾高 雅文准教授 天辰 禎晃助 教 桐明 絢タンパク質の形と働きを知り、産業に導く研究タンパク質には、例えばヒトには10万種類が存在すると考えられ、様々な生命現象で主役を担っています。我々は、産業用触媒として役立つモノ、環境浄化に役立つモノ、あるいは、ナノマテリアル材料となるモノなど、重要なタンパク質を選択し、それらの働き(機能)と形(構造)を分子レベルで明らかにすることで、科学技術の発展や環境に優しい社会の実現に貢献する研究を行っています。また、秋田県の県魚であるハタハタのタンパク質の性質を調べることで、地域資源の活用、地域貢献を目指して研究しています。生命科学科 生命科学コース准教授 松村 洋寿タンパク質の分子レベルの解析に基づいた薬の作用機序解明と異常タンパク質が原因となる腎疾患の発症機序解明を目指した研究多種多様なタンパク質の働きは生命現象を支えており、異常なタンパク質が生産されたり、タンパク質が異常な働きをすると、様々な疾患の原因となります。多くの薬は、タンパク質をターゲットとして特異的に結合することにより働きます。我々は、作用機序が不明である薬のターゲットタンパク質を探索し、薬との結合を分子レベルで明らかにすることで、薬の作用機序や副作用の発症原因を解明したいと考えています。また、腎疾患の原因となる尿タンパク質の性質や形を分子レベルで明らかにすることで、腎疾患が発症する原因を解明したいと考えています。-45-

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