秋田大学 令和3年度高校生のための研究者・研究内容紹介
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所属(学科・コース・講座等)教員名(職名・氏名)研究テーマ研究内容高等教育グローバルセンター准教授 濱田 陽リスニング力向上・発音向上のためのシャドーイング研究聞いた音をそのまま再生するというシャドーイングについて、様々な角度から研究しています。どんな学習者に効果的なのか、なぜ効果的なのか、さらに、どうすればもっと効果的になるのかを理論的に解き明かし、実践的に証明するという研究です。これまではリスニング力への効果と方法について研究してきましたが、現在は発音への影響についても研究を行っています。高等教育グローバルセンター講 師 Ben Grafström文学、英語で俳句を句作、時間学、教育法、比較文学、異文化コミュニケーション中世文学・文芸には、御伽草子、和歌、随筆、 軍記物、説話など様々なジャンルがありますが、それぞれに固有の定義や歴史的変遷があります。一つのジャンルとして、幸若舞(こうわかまい)があります。幸若舞は、中世の後期から江戸時代の初期までは語り物の話ですが、江戸時代の初期には読み物になりました。内容は殆ど平治物語、平家物語、曽我物語、義経記などに基づいており、室町時代の乱雑的な社会的な背景を何らかの形で反映しています。幸若舞に反映する室町時代の仏教の動向、民俗の生活、時間管理などについて研究し、分析をしています。高等教育グローバルセンター講 師 吉沢 文武死と生の意味と価値をめぐる哲学・倫理学死は恐ろしく、できれば避けたい悪いことだというのが普通の考え方です。しかし、死が悪いことだとして、それがなぜなのかを説明するのは、じつは容易ではありません。生や死、善や悪などの言葉の意味を明確にして、論理の力で一歩ずつ考えて説明を試みるのが、哲学・倫理学のアプローチです。そこからさらに、動物にとっては? 科学技術との関わりは? 人類全体の絶滅は? と問いを広げて、応用的な研究にも取り組んでいます。高等教育グローバルセンター准教授 市嶋 典子シリア出身の日本語学習者の学習環境とアイデンティティ形成過程の動態について現在、世界の137の地域で日本語教育が行われています。この中には、決して数は多くはありませんが、現在も紛争状況にある国々も含まれています。中でもシリアには、紛争渦中においても、日本語を学び続ける学習者が存在しています。また、シリアを離れ、難民として外国で生活しながら、日本語を学び続ける学習者もいます。このような学習者に聞き取り調査を行い、彼/彼女らがどのような環境で日本語を学んでいるのか、いかなるアイデンティティを形成しているのかを考察し、人がことばを学ぶことの意味を探求しています。高等教育グローバルセンター助 教 浜田 典子中上級日本語学習者の仲介行動の特徴私達は予測不可能な時代を生きています。この時代を生き抜くには、背景の異なる人と協働しながら、アイディアを創出していくことが必要です。そのためには様々な調整を行いながら話し合いをすすめる対話力が必要です。意見の衝突が起きた場合やコミュニケーション上の問題が起きた時、私達はどのように調整していくのか、どうすればそういった調整力を育むことができるのかについて、主に日本語学習者を対象に検討しています。高等教育グローバルセンター助 教 袁 暁犇主に日本語と中国語を対象にして、語の形成の仕方を研究しています。日本語の中で、「動詞連用形+動詞形」の形で作られている「複合動詞」があります。しかし、任意の2つの動詞を組み合わせるだけで、複合動詞が自由に作れません。たとえば、「お皿の汚れを洗い落とす」という文は普通に言えるが、「洗い落ちる」は言えません。また、「言い残す」は「言うことを残す」を表しており、「投げ入れる」は「投げることで入れる」を表しており、「思い至る」は「思いが、そこに至る」を表しています。同じく2つの動詞を並べても、意味解釈が全く異なります。現在は、人がどのように複合動詞を理解して、作っているのかという問題に取り組んでいます。■ 高等教育グローバルセンター-65-

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