秋田大学 理工学部 2023
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生命科学科生命科学コース 現在使用されている医薬品には、効果は認められているにも関わらず、どのようにその効果が発揮されるのか、いわゆる作用機序が未解明なものも少なくありません。私は、そのような医薬品の作用機序解明を目指して、医薬品がターゲットするタンパク質の探索と機能解析に関する研究に取り組んでいます。研究活動は、答えがあらかじめ用意されている高校生までの試験問題とは違い、地道な作業を繰り返すことで、ようやく答えが見つけられるものです。なかなか答えにたどり着けず、模索する日々が続くこともありますが、先生や先輩との日々のディスカッションや同じように生命科学に興味がある仲間と切磋琢磨しながら実験に臨める環境に、充実感を得ることができています。そして何より、答えに一歩近づいたと感じたときに得られる大きな達成感は、実際に自分で答えを予想し、手を動かして証明する研究活動によってのみ得られる大きな経験だと思います。皆さんも本コースで、まだ誰も知らない答えを探してみませんか? 高校生の頃は化学と生物に興味があり、その両方を学ぶことが出来る生命科学コースに入学しました。大学の講義では、生命科学に関する専門知識はもちろん、基礎科目も充実しているため幅広い知識を得る事が出来ます。 現在、私は半導体用途向け化学製品の開発に携わっています。生命科学を学んだのになぜと思った方もいると思います。大学・大学院では、生物活性天然物の全合成を研究していました。有機合成を通じて生命現象を明らかにしたいと考え研 研究室では生物がつくる化合物を人工的に作る有機合成化学の研究をしています。扱う有機分子は非常に小さいため実際の構造を目で見ることはできませんが、それらを自在に変化させることで目的の構造を作り出すことに面白さを感じています。生命科学というと生物学のイメージで、化学というと意外に思うかもしれませんが、生命現象の根底には化学反応があり、化学を学ぶことは生命現象の理解に繋がります。研究では化学をメインにしていますが、化学以外にも生命現象の理解へのアプローチはたくさんあると思います。生物学はもちろん、物理学や数学の知識も欠かせません。さらには柔軟な発想のためには文学分野も重要なアプローチになるのではないでしょうか。このように様々な分野に繋がっていることも生命科学の面白さ、魅力だと思います。皆さんもぜひ、興味や得意なものを生かして“生命とは何か”を解き明かしてみませんか。究をしていましたが、社会に役立つ製品を提供したいと考えるようになり素材メーカーに入社しました。 研究・開発では知識や経験も重要ですが、固定観念に捉われる事なく、事象に対してひたむきに考え、検証する能力が大切だと思います。学生生活の中で先生方や仲間から多くの事を学び、考える力を養い、ぜひ自分自身の可能性を高めて下さい!(東京都出身)生命科学専攻 生命科学コース 博士前期課程2年今野 雅大さん(秋田県出身)◎令和元年度博士後期課程修了◎三菱マテリアル株式会社勤務佐藤 大介さん(神奈川県出身)生命科学専攻 生命科学コース 博士前期課程2年秋山 克樹さん先輩からのメッセージ研究活動を通して得られる経験卒業生からのメッセージ可能性は無限!先輩からのメッセージ生命へのアプローチFaculty of Engineering Science Akita University12Message

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